「農を支えて」-農具の変遷
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秋田の農具を集大成
- 協力:渡部景俊著『農を支えて-農具の変遷』(秋田文化出版株式会社)
- 購入希望のお問い合わせは TEl018-864-3322
ほんの数十年前まで、当たり前だった乾田馬耕や人力による田植え、稲刈りなどの農作業の風景が、土地改良と農業機械の進展によって驚くべきスピードで変化してきた。
わずか数十年前の農具や生活用具が今や博物館へ行かなければ見られなくなった。かつての農村で使われた農具や生活用具、古い農作業風景を記録した写真や資料は、民俗学的にも貴重な遺産である。
湿田時代の農作業は、冷たい水につかりながらの重労働であった。つらい農作業と腐れ米の原因をなくすために、乾田馬耕の普及が始まったが、実際は農家の反対が根強く苦難の連続だった。
こうした秋田県農業・農村の発展の歴史を民俗学的な視点も含めて考える格好の資料が「農を支えて-農具の変遷」(渡部景俊著、秋田文化出版、2800円)である。
本書は、農民の手足となって秋田県農業を支え、共に生きてきた農具の変遷を通して、秋田の農業農村の歴史、文化を克明に描いた労作である。
特に失われゆく道具や昔の農作業風景など貴重な写真や図は、県内の博物館や資料館などをくまなく探し集大成したものである。古びた写真、道具の一つ一つが、当時のドラマチックな展開を語りかけてくるような貴重な資料ばかりである。ぜひご一読をお勧めしたい。
秋田文化出版及び渡部景俊さんのご好意により、本書に掲載されている写真を中心に、主に稲作に関する農具と農作業の変遷をご紹介する。
「農を支える-農具の変遷」ご覧になる方は下記の各コンテンツよりどうぞ。
ご協力をいただいた渡部景俊さんのプロフィール
略歴
- 昭和4年 秋田県南秋田郡若美町に生まれる。
- 昭和22年 秋田県立金足農業高校卒業後、県立農業技術員養成所に入所
- 昭和23年 秋田県農事試験場に勤務。以降、天王高等農業学園、農産課、秋田・大曲農業改良普及所などを経る。
- 昭和62年5月 『鎌と鍬』の著書で秋田市から第4回秋田市文化選奨を授与される。
- 平成2年 県立神岡高等農業学園を最後に定年退職
- 平成7年3月まで農業技術情報誌(月刊)『農業秋田』の編集長を勤める。
秋田県民俗学会理事、秋田地名研究会運営委員長、秋田県歴史研究者・研究団体協議会会員
著書
- 「秋田の鍬今昔」(昭和50年、秋田文化出版社)
- 「鎌と鍬」(昭和62年、秋田文化出版社)
- 「農と民俗」(平成2年、秋田文化出版社)
- 「農を支えて-農具の変遷」(平成11年、秋田文化出版株式会社)