企業連携事例紹介(~美と技で魅せる~あきた舞妓オリジナル「きのこ盃」の商品開発) | 美の国あきたネット

連携企業の概要

連携体 業 種 社  名 役 割 等
漆器製造業 秋田・川連塗 寿次郎 新商品の企画、製造、販売
芸ぎ業 (株)せん 新商品のデザイン、広報
支援機関 ゆざわ小町商工会

 

事業概要                         

連携の経緯 

 「川連漆器」は800年以上の歴史をもつ国に指定された伝統的工芸品。漆器の需要が減少する中、秋田・川連塗 寿次郎(後継者 伝統工芸士 佐藤史幸)は伝統文化を継承しながら川連漆器の新たな魅力づくりや、きのこ盃(※)の可能性を模索していたところ、あきた舞妓の育成や派遣を通じて観光振興に取組む株式会社せん(代表取締役 水野千夏)と『秋田の魅力を発信する』『オリジナリティ溢れる「地域」「人」「未来」の魅力を創り出す』というお互いの経営理念が合致し、それぞれの経営資源を活かした新たな商品開発の企画に至った。

※きのこ盃  形、容量、絵柄が異なる5種類の盃とサイコロ1つがセット。重ね合わせると「きのこ」の置物になる。置物にした時の高さは約11cm、きのこのかさの直径は約9cm。中に入ったサイコロを振り、出た目に対応する絵柄の盃で酒を飲む余興を楽しむ仕組み。形状や使用法を含め、全国的にも珍しい盃とされる。川連漆器産地では祝宴向け商品として以前から制作されてきた。

 

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5酒類の盃とサイコロ1つがセット
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   5酒類の盃を重ねると「きのこ型」の置物になる

 

 

 

 

   

新商品の概要 

・企画にあたっては、お座敷や宴会の酒器として活用しながら観光客に秋田県の文化や祭りに関心を持っていただくとともに、川連漆器の知名度向上につなげることを目指し検討を重ねた。

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・従来の「きのこ盃」は祝宴向け・縁起物として松竹梅や鶴亀が描かれるのに対し、新商品は「なまはげ柴灯まつり(男鹿市)」「全国花火競技大会(大仙市)」「竿燈まつり(秋田市)」「かまくら(横手市)」「小町まつり(湯沢市)」といった秋田県を代表する行事を盃の絵柄に採用した。

・酒席での利用をきっかけに、秋田県内各地で開催される四季折々の行事にも足を運んでほしいとの想いを込め、秋田県の魅力を十分に盛り込んだ仕上がりとなった。

・秋田・川連塗 寿次郎が拘り続けてきた素材と技術で、小豆色が特徴的な()め塗りを施し、プラチナで絵柄を描き高級感を出した。

・サイコロの目は「神」が盃の絵柄の「なまはげ」に、「彩」が「花火」にとそれぞれ対応。六つの目のうち残りの一つは「芸」とし、出た際は酒席を盛り上げる一芸を披露するルールとした。絵柄やサイコロの目、活用法などの面で㈱せん水野氏が幅広く助言、協力した。

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開発品

  

企業連携の成果 

・今回の商品開発により、川連漆器の新たな魅力づくりと商品(きのこ盃)の可能性を見出したことが地元漆器関係業者への波及効果につながっている。

・秋田・川連塗 寿次郎が川連塗りフェアで完成品を披露後は、新聞記事掲載効果も相まって、秋田のお土産品として多くの問合せがあり、10件の売上につながっている(1セット54,000円(税込))

・企業連携事業終了後、㈱せん ではあきた舞妓活動拠点「あきた文化産業施設 松下」を開業。完成した「きのこ盃」は、あきた舞妓の活動の場で活用されている。また、本連携がきっかけとなりカフェ部門「松下茶寮」に川連漆器プレート(寿次郎制作)50枚が納入された。

・秋田・川連塗 寿次郎は、秋田県漆器工業協同組合のパリ視察において、パリ寿月堂との意見交換会に参加。世界に類の無い「きのこ盃」の店頭展示が実現し、フランスでの事業展開の下地確立につながっている。

・企業理念が合致した若い世代の事業者たちが連携することにより、伝統工芸品に新たな発想が生まれた。

・文化的事業と伝統工芸品の融合による販路拡大が今後も大いに期待される。

 

代表企業等の連絡先

・代表企業名:秋田・川連塗 寿次郎(代表 佐藤幸一)

・所在地:秋田県湯沢市川連町字大舘上山王119-3

・電話番号:0183-42-3576 FAX:0183-42-4616

・E-mail:info@jujiro.jp

・URL:http://jujiro.jp/

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