避難安全検証法(ルートB1)による性能設計
設計の自由度を確保しつつ、避難の安全性を検証
避難安全検証法(令和2年国土交通省告示 第509号、第510号、第511号)に準拠した、避難の検証計算(ルートB1)を行います。階避難安全検証法では、その階の全員が直通階段に到達するまでに避難上支障のある高さまで、煙やガスが降下しないことを確かめます。
検証法を適用することで、排煙窓や防煙垂れ壁などの排煙設備、廊下幅や直通階段までの歩行距離を緩和できます。簡単な操作で複雑な平面形状の入力が可能で、検証条件の設定もスムーズです。また、ドアの位置から部屋の繋がりを自動認識して、最大歩行時間の経路や最小煙降下時間を自動で算出し、検証計算が大幅に省力化できます。
避難検証法に関するお知らせ
[2020.09.01] 区画避難安全検証法に対応した、Ver.4の販売を開始しました。
[2020.05.19] 2020年4月1日施行 改正建築基準法施行令に関するお知らせ
[2020.01.29] ユーザー事例(株式会社伊藤建築設計事務所 様) を公開しました。
[2020.01.08] ユーザー事例(株式会社 スダック 様) を公開しました。
避難検証法の特長
簡易で効率的な操作性
入力、修正、計算、全てを最短で行うことを目指しました。余った時間で繰り返し計算が可能になり、最適設計の精度が向上します。CAD図面を下図とすることで入力も容易。作成したモデルを画面上で直接編集も可能です。また、エラーチェック機能により間違いを回避できます。
使いながら学べる
防火設計は専門教育の場が少なく、専門とする設計者も少ないのが現状です。避難検証法は防火設計がメインではない設計者が、使いながら防火設計について学習できるソフトです。入力値は表から選択、各項目の解説をポップアップ表示し自然学習を促します。
3Dシミュレーションで
避難時間を可視化
計算結果をもとに煙の拡散時間を想定し、計算された歩行経路に従って避難が行われる様子を観察できます。一般的な「避難安全検証法」の計算では確認が難しい危険性について検討することが可能です。
BIMデータとの連携
建築設計プラットフォーム「i-ARM」でモデリングしたモデルから、下図・壁・ドア・室・窓データをインポートできます。この機能により、大幅な作業軽減が図れます。 またi-ARMでIFC形式ファイルを読み込んでおけば、他社のBIMデータも計算モデルとして利用できます。
避難検証法の活用方法
CASE01避難安全避難安全検証法(ルートB1)による性能設計を行いたい
従来の仕様設計(ルートA)を行う場合、建築基準法に定められた規定に従い排煙設備や防煙区画等を設置することによって安全性を確保します。 計画によっては排煙窓や防煙垂れ壁などの排煙設備が現実的には過剰な設計になる場合があります。 このような場合に避難安全検証法(ルートB1)による性能設計を行うことで排煙設備の設置数を減らしコスト削減が期待できます。※1
※1 避難安全検証法(ルートB1)が有効でない、もしくは適用できない構造種別、建物用途もあります。
機能紹介
インポート機能
CAD図面 i-ARMモデル読込み機能
● インポート対応ファイル形式
mps, mpz, dwg, dxf, jww, jwc, armz
入力
● 壁
● 扉
● 開口部
● 防煙垂れ壁
データ表示
効率的にデータをチェック
● 3Dビューイング
● オブジェクト表示・ 非表示切替
アシスト機能
● 告示アシスト入力
● 解説書ヘルプ
計算機能
● 避難経路計算
● 煙拡散経路計算
● 全館避難検証法※1
データチェック機能
データの矛盾や不備をチェック
● プリチェック機能
出力機能
● 判定結果一覧
● 図面出力
● 階避難経路図
シミュレーション機能
計算では確認が難しい危険性を目で確認
● 避難行動シミュレーション
追加された検証法 NEW!
「防火区画」ごとに検証できる
● 区画避難安全検証法※2
※1 直通階段の形状等で計算できない場合があります。
※2 通路や階段、内装制限を受けるものは除外できません。
動画
操作説明
CAD図面を活用したモデリング、プリチェックや入力アシスト機能、避難安全検証・避難シミュレーションから出力までの、各項目の概要と特長を紹介します。
計算結果をもとに煙の拡散時間を想定し、計算された歩行経路に従って避難が行われる様子を紹介します。
予備知識・基準等
準拠している基準等
国土交通省令や告示および技術的助言、下記の基準類に基づいています。
法令
建築基準法施行令:第128条の6、第129条、第129条の2
令和2年国土交通省告示:第509号、第510号、第511号
書籍
国土交通省住宅局建築指導課ほか
2001年版避難安全検証法の解説及び計算例とその解説(平成24年9月1日 第3版 第4刷)
日本建築行政会議
建築物の防火避難規定の解説2016(平成28年6月20日 第1刷)
※上記図書に準じた計算に必要なデータは、本ソフトウェアに含まれていますが、図面からの各入力項目の拾い方、届出書の作成方法などについては上記図書をご参照ください。
避難検証法における検証項目
対応項目
居室避難、区画避難※1、階避難、全館避難※2(すべてルートB1)、防煙区画、1,500m2を超える居室
※1 通路や階段、内装制限を受けるものは除外できません。
※2 直通階段の形状等で計算できない場合があります。
対応している建物用途
事務所、店舗、ホテル、レストラン、学校等、告示に記載されている用途に対応しています。
ただし、劇場など傾斜や段差のある建物では、上りの歩行速度による安全側の計算になります。
非対応プラン
2次元で表現できないプラン、スキップフロア、メゾネット、当該階の各室等が2層にまたがる場合など。
避難安全検証法について
避難安全性能を検証する設計手法は以下の3つの方法があります。
どの方法(ルート)を選択するかは設計者の自由です。ルートB1には区画避難安全検証法、階避難安全検証法、全館避難安全検証法があります。
ルートA :従来の仕様基準を適合させる方法
ルートB1※:告示第509号~第511号で定められた検証方法を利用する方法
ルートC :国土交通大臣の認定を受ける方法
※ 避難時間判定法(ルートB1)は令第128条の6、129条、129条の2の、それぞれ第3項 第1号を指します。
告示で除外されている、病院、診療所、児童福祉施設等、自力で避難することが困難である用途の建物は、避難安全検証法の適用外となります。