気候危機は人類の存続を脅かす脅威であり、パタゴニアのビジネスのすべての部分が関係しています。私たちは製品を製造する方法を変えることにより、二酸化炭素の排出を削減する必要があります。また自然を守り、化石燃料から脱却しようとする地域社会を支援するために、私たちが有するリソースを利用します。そして産業界と政府に対し、体系的な変革を求めます。これはあらゆる面での闘いです。
カーボンニュートラルだけでは不十分
カーボンオフセットを購入してカーボンニュートラルに到達することは、私たちが残すフットプリントを帳消しすることにも、長期的な自己救済にもなりません。パタゴニアが所有し運営する直営店、オフィス、配送センターの排出を削減することが私たちの目標なのであれば、それは達成できます。しかし私たちの排出量のほとんど、つまり95%はサプライチェーンおよび素材の製造に起因しているのです。私たちはそのすべてに責任を負います。
2023会計年度の温室効果ガス(GHG)排出量 (2022年5月1日から2023年4月30日まで)
- スコープ1&2:自社が所有し経営する施設:2,963メトリックトンCO2e(二酸化炭素換算量)
- スコープ3:社員の出張:562メトリックトンCO2e
- スコープ3:輸送:13,309メトリックトンCO2e
- スコープ3:最終製品の製造:3,404メトリックトンCO2e
- スコープ3:素材の製造:179,119メトリックトンCO2e
総排出量:199,357メトリックトンCO2e
私たちは、どのようにして自らの説明責任を果たすのか。
パタゴニアは自社およびパートナー企業のネットワーク全体に、Science Based Targetイニシアチブ (SBTi)が提供する一連の基準に則った大胆な目標を設定しました。SBTiは目標設定と検証プロセスが厳格であり、このプロセスを経ることで、会社としての目標が最新の科学と温暖化を1.5℃以内に抑えるという2015年パリ協定の誓約に基づいているという確信を得ました。そして、SBTiがビジネスを3つの「スコープ*」に分類し、私たちのような企業が自社の取り組みに焦点を絞ることをサポートしています。
パタゴニアの目標:
短期の目標(2030会計年度)
- 2017年度を基準年として2030年度までに、スコープ1とスコープ2のGHG排出量の絶対値を80%削減する。
- 2017年度を基準年として2030年度までに、スコープ3の購入した物品やサービス、上流の輸送および配送、出張、下流の輸送および配送に関連するGHG排出量の絶対値を55%削減する。
長期の目標(2040会計年度)
- 2017年度を基準年として2040年度までに、スコープ1、2、3のGHG排出量の絶対値を90%削減する。
- 2017年度を基準年として2040年度までに、バリューチェーン全体でGHG排出量のネットゼロを達成することを誓約する。
パタゴニアは最新の科学が変化する可能性があることを認識しており、温暖化を1.5℃以内に抑えるために最も厳格な目標を適用していくことを誓います。目標を掲げる言葉は、その時代に応じて変化していくかもしれませんが、温室効果ガス排出量の絶対値の削減を目指す私たちの意欲と取り組みは変わりません。
私たちのビジネスを越えて
私たちのビジネスのやり方を変えることは極めて重要な手段ですが、気候危機はそれ以上の要求を迫ります。パタゴニアは化石燃料に依存せず、自然を保護するためのコミュニティ主導の取り組みを支援します。私たちはまた、気候変動に対応する体制に変化をもたらすために、私たちが有するあらゆるパワーと影響力も活用していきます。