材料開発研究所は、独自の技術を核とした新製品の開発や、次世代分野の研究開発を行っています。
無機研究分野では、チタン酸塩を中心とした研究開発を行っており、優れた摩擦安定性・ミクロ補強性・摺動性を特長とする製品「ティスモ」「テラセス」は、自動車用ブレーキパッド等に使用されています。また、その基盤技術を活かし、電池材料・塗料分野への展開にも挑戦しています。更に、「ティスモ」と各種エンジニアリングプラスチックスの特性を巧みに組み合わせた機能性複合材料の開発も行っており、自動車部品やスマートフォン部品等の幅広い分野に展開しています。
研究所の特徴
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素材開発
基盤技術を生かした素材開発を行っています。特に、摩擦材用途でのチタン酸塩開発においては、リーディングカンパニーとして素材開発体制を整えています。
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用途開発
「ティスモ」「テラセス」「デントール」の「うれしさ」を最大限にする用途を研究しています。また、新たな用途に向けた新素材も積極的に開発しています。
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複合材料開発
「ティスモ」は極めて微細な繊維であり、優れた補強性能を持ちます。そのティスモと各種プラスチックスを組み合わせ、あらゆる分野に向けて特徴的な機能性を付与した樹脂複合材料「ポチコン」を開発しています。
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成形品開発
これまで培ってきた押出加工技術を元に、様々な形状提案をすべく加工技術開発を進め、多彩な顧客ニーズに向けた新たな提案を行っています。
開発事例
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摩擦材チタン酸塩の開発
チタン酸塩を中心とした研究開発を行っており、優れた摩擦安定性、ミクロ補強性、摺動性を特徴とする製品「ティスモ」「テラセス」は、自動車用ブレーキパッド等に使用されています。その他、形状、サイズ制御などの基盤技術を活かし、用途に合わせた素材開発を行っています。
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素材の力を最大限にする用途開発
様々な用途への可能性を追求し、「うれしさ」を提案します。素材は適応する用途で機能を発揮して初めて意味を成します。我々は、想定した用途に対し、「うれしさ」とは何かを追及し、材料の価値を最大限に高める研究を行っています。また、基盤技術を生かして、新たな用途に対する新素材開発も積極的に行っています。
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複合材料ポチコンの開発
「ポチコン」は、大塚化学が提供する熱可塑性樹脂の一種です。この材料は、超微細なチタン酸カリウム繊維「ティスモ」を配合しており、成形品の補強や寸法安定性に優れています。
自動車の駆動部材やLEDリフレクター、カメラモジュール部品など、さまざまな用途で使用されています。また、リサイクル性にも優れているため、コストダウンにも貢献できます。
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樹脂複合材料/加工品への適用
射出成形品、板材、ブロック、フィルム、3Dプリンタ用フィラメントなど、素材だけではなく部品や部材の製造も可能となりました。射出成形品は流動解析を使用して事前にシミュレーションすることで、寸法規格や成形性を事前に検証し、開発工期の短縮に貢献しています。また、製品の価値を高める形状が実現できるかどうかを金型を作ることなく検証できるようになりました。板材・ブロックはポチコンの低攻撃性の特徴を生かして、快削性に優れつつ加工時に反りにくいように組成や製法を工夫しています。フィルム・チューブはポチコンの薄肉成形性、補強性、低線膨張性を生かして耐折性を持ち、二次加工や金属との接着性の特徴を備え、フレキシブル基盤や多層基板などの用途にも広がっています。3Dプリンタ用フィラメントは強化繊維入りでありながら、最小のΦ0.2mmのノズルヘッドによる成形が可能で、精密成形を保ちつつ強度、剛性、表面平滑性があり、そのまま治具として使用できる部材となります。また、3Dプリンタ特有の設計自由度を兼ね備えた材料となります。