大沼を形成する、駒ヶ岳、大沼・小沼・蓴菜沼などの大小の湖沼群、周辺の森や山々には、貴重な自然が残っています。
駒ヶ岳
標高1,131mの秀峰・駒ヶ岳は、自然豊かな山麓と火山の2つの表情を持ち合わせています。
過去、寛永17年(1640年)、安政3年(1856年)、昭和4年(1929年)に大爆発を起こしており、平成8年に小噴火を起こし、現在でも小規模な噴気活動がみられます。
外輪山を形成する山頂部は、安政火口など3つの火口を中心として、剣ケ峰(標高1,131m)、砂原岳(1,113m)、隅田盛(892m)の3つのピークからなり、これらのピークに囲まれて荒涼とした火口原が広がっています。
なだらかな山麓地帯は豊かな自然に包まれ、ミズナラやブナ、シラカバやカラマツといった森が広がり、キタキツネやタヌキ、リスなどの動物や、アカゲラなどのキツツキをはじめとするさまざまな野鳥が生息しています。
山麓から山頂へ向うと、ナナカマドなどの潅木地帯となり、標高300mほどで、火山活動によってできた裸地帯が広がっています。その中にも、所々では植生が回復し、イワギキョウやシラタマノキといった高山性植物などが小さな群落を作っています。
大沼・小沼・蓴菜沼
大沼・小沼・蓴菜沼は駒ヶ岳の火山活動によってできた堰止湖で、屈曲の多い湖岸線と多くの小島とによって、道内では珍しい日本庭園的な景観を創りだしています。この島は、泥流によって押し出された岩塊や溶岩が集積してできたものです。
森と水辺が混在した大沼の環境は、豊かな自然を育みます。
湖面に目を移すと、晩春から夏にかけて、ヒツジグサやコウホネなどの水草類が、凛とした花を咲かせます。
湖畔には、ミズナラやブナ、ハンノキなどの樹木が葉を茂らせ、セキレイなどの野鳥のさえずりが聞こえてきます。また、水辺ではマガモやカルガモが見られ、大沼と小沼を結んでいる白鳥台セバットでは、冬の間も結氷せず、毎年オオハクチョウなどの越冬場所となっています。