- 株式会社アルコン
- 取締役副社長
谷本 玲子氏
検討のきっかけ
経理の本来やるべき付加価値の高い仕事を行うため、
業務生産性の抜本的な改革が必要
高い技術力や対応力が評価され、順調に業容を拡大している一級建築士事務所の株式会社アルコン。2018年度には新卒社員を5名迎え、さらなる売上拡大を目論む。こうしたなか、生産性向上が喫緊の課題として浮上した。取締役副社長管理本部統括の谷本玲子氏が語る。
「当社のような中小企業の場合、従業員ひとりひとりの生産性を向上させていかなければ、成長は望めません。例えば経理において、仕訳入力の作業は必ずやらないといけませんが、付加価値を生む仕事ではありません。そういった価値の低い作業を減らし、その空いた時間を使って将来の資金繰りや受注を伸ばすための付加価値の高い仕事に時間を当て、企業の成長に繋げていくことが必要でしょう。そこで、クラウドを活用してまずは経理業務の仕組みを根本から変えていくことを選択したんです」
具体的に、どのような作業の時間削減を目指したのか。そのひとつが「税理士とのやり取り」であった。
「従来の会計システムでは、月次や決算などに発生する税理士との会計データのやり取りをバックアップデータの提出で行っていました。その際に発生する、会計システムのバックアップデータ出力やメールによるデータ送付に要する時間を減らしたかった。また、税理士にデータを確認してもらう間の待ち時間が長く、その間に新しい仕訳が入力できず、作業効率が悪かったんです」
バックアップデータの送受信以上に時間がかかっていた作業がある。それは「手戻り」である。
「具体的には、決算前に税理士に会計システムのバックアップデータを渡して、チェックが終わるまで10日ほど待ちます。その間に、自社で仕訳入力のミスが発覚して修正をすることがあるのですが、税理士のチェックが完了して戻ってくるバックアップにはその修正データが反映されておらず、数字が合わないということがありました。その後、原因を確認して再度修正する事務作業が、たびたび発生していたんです。このような無駄な作業が生産性の低下を招いていました」(谷本氏)
導入の決め手
税理士チェックに要する待ち時間が0に。
大幅な時間削減効果が見込め、
高いコストパフォーマンスを実現
同社が勘定奉行を導入したのは2012年のことだ。導入以来、オンプレミス版で勘定奉行を活用してきたが、2018年6月に勘定奉行クラウドへ変更。使い続けられる会計システムがすでにあるにもかかわらず、なぜ勘定奉行クラウドへ変更する必要があったのか。一般的にクラウドに変更すると、オンプレミス版で必要なイニシャルコストはかからない。しかし、保守サービスなどを含む年間ライセンス料が別途かかるため、ランニングコスト増になる懸念があった。
「それでも導入を決断したのは生産性の向上が見込めるからです。勘定奉行クラウドを活用すれば、人件費の削減が期待でき、十分に費用対効果があると感じました」(谷本氏)
具体的には、勘定奉行クラウドのどのような点に魅力を感じたのか。
「主な魅力は2つでしょう。ひとつは税理士とのコミュニケーションの円滑化です。税理士とリアルタイムでデータ共有が可能なので、仕訳を即座にチェックしてもらえます。また、税理士のチェックに要する10日間の無駄な待ち時間が0になり、税理士の確認を終えてからでないとすることができなかった一連の入力作業も、勘定奉行クラウドならリアルタイムに行うことが可能です。」(谷本氏)
勘定奉行クラウドでは、公認会計士や税理士などの専門家と一緒に活用することを想定し、標準機能で専門家専用のライセンスを提供している。税理士とつながることで経理業務の生産性向上を目指したわけだ。
「もうひとつの魅力は自動仕訳ですね。金融機関と連携した自動化機能の活用によって、入出金仕訳の入力作業がなくなります。また、給与奉行クラウドとの連携で、給与仕訳の入力を自動化できる点もメリットでした」(谷本氏)
導入効果
無駄な手戻りや待機時間を削減。
作業時間を月40時間減らすことに成功
勘定奉行クラウドに無償で付属している専門家ライセンスを税理士に提供することで、税理士とのリアルタイムな会計データの共有を実現。 税理士との間で発生していたやり取りや待ち時間などを削減でき、生産性を飛躍的に向上できた。
- ・ 税理士との面倒なバックアップデータやファイルのやり取りが不要になった
- ・ 税理士と並行して業務を進められるようになり、無駄な待ち時間を削減できた
- ・ 決算時に税理士とのやり取りで発生していた、仕訳伝票の修正による手戻りの作業がなくなった
- ・ 税理士によるリアルタイムな代行入力により、決算対策を早めに打てるようになった
- ・ いつでも勘定奉行にアクセスできるようになり、担当者に帳票出力を依頼する作業がなくなった
- ・ 自動バックアップにより、データ保全を手間なくできるようになった
導入効果
- 税理士との面倒なバックアップデータやファイルのやり取りが不要になった
- 税理士と並行して業務を進められるようになり、無駄な待ち時間を削減できた
- 決算時に税理士とのやり取りで発生していた、仕分伝票の修正による手戻りの作業がなくなった
- 税理士によるリアルタイムな代行入力により、決算対策を早めに打てるようになった
- いつでも勘定奉行にアクセスできるようになり、担当者に帳票出力を依頼する作業がなくなった
- 自動バックアップにより、データ保全を手間なくできるようになった
今後の展望
全社的な業務改革を目指し、クラウドを経営に活かす
2020年の東京五輪後、景気の落ち込みが懸念される。こうしたなか、冒頭で触れた通り、売上拡大のためには、さらに生産性向上を図る必要がある。今後は、仕訳入力の自動化を最大限活用していく方針だ。
「入金と給与の仕訳入力の自動化には期待しています。今はまだつながっていませんが、勘定奉行クラウドと給与奉行クラウドの連携も実現していきたいです。当社のような中小企業は、経理が属人化している場合が多いため、経理の継承も大変です。だから、人に頼らずとも業務が回せる勘定奉行クラウドは中小企業の経理業務改善に有効な仕組みだと思います」
クラウド活用は会計と給与に留まらない。同社では全社的にクラウド活用を検討しているという。
「現状、日報を書くには帰社しなければいけません。そのため、直行直帰が可能な仕組みを整えて、営業活動の効率化を後押ししたいですね。総務部門においては勤怠管理もクラウド化したいと考えています。将来的には会計と給与、勤怠管理がつながり、システマチックにすべて集計できる形を目指しています」
あらゆるデータがつながれば経営に役立つ有用な示唆が得られることだろう。谷本氏は「未来を見据えて対策を打つのが経営。経理で扱うのはあくまで過去の数字に過ぎず、そこから何を得るかが重要です。これまでの経理はその視点が抜けている。つまり、経理は“財務へ”ステップアップしなければならないんです。クラウドはそれを実現するためには必要不可欠なもの。人員が限られている中小企業こそクラウドを活用すべきだと思います」と力強く語る。
同社における全社的な生産性向上への挑戦は始まったばかりだ。OBCの提供するシステムがそのチャレンジを支えていくだろう。
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企業情報
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- 会社名
- 株式会社アルコン
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- 業種
- 建設業
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- エリア
- 神奈川県
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- 従業員数
- 25名