【理学療法学科】第一足根中足関節の関節軟骨変性には第一中足骨の関節面の数が関与することを明らかに! | 研究情報 | 新潟医療福祉大学
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【理学療法学科】第一足根中足関節の関節軟骨変性には第一中足骨の関節面の数が関与することを明らかに!

2024.10.17 研究情報

坂本航大さん(大学院博士後期課程2年、スポーツ医科学Lab、運動機能医科学研究所)と江玉睦明教授(理学療法学科、スポーツ医科学Lab、アスリートサポート研究センター、運動機能医科学研究所)らの研究論文が国際誌に掲載されました!

【研究の概要】

第一足根中足関節の過可動性は外反母趾の一因とされています。しかし、第一足根中足関節において、関節面の骨形態が関節の安定性に関係しているのかは明らかではありませんでした。
そこで、本研究ではご遺体を対象に、一足根中足関節の関節面の形態と、関節の安定性の指標とされる関節面の軟骨変性との関係について調査しました。
その結果、第一足根中足関節の関節面が3つに分かれるTypeにおいて、関節面の軟骨変性の重症度が有意に低いことが明らかとなりました。
今後は、生体で関節面の形態を評価する手法を確立し、外反母趾の変形進行との関係性をさらに調査する予定です。本研究は、国際誌「Scientific Reports」に掲載されました。

左:坂本航大さん(大学院博士後期課程,スポーツ医科学Lab)
右:江玉睦明教授(理学療法学科,スポーツ医科学Lab,アスリートサポート研究センター,運動機能医科学研究所)

 

本研究はご遺体を対象にした解剖学的な研究であり、外反母趾の進行メカニズムの解明や予防法の考案には至りませんでした。
今後さらに研究を重ね、関節面の形態が外反母趾の進行に及ぼす影響を明らかにしたいと考えております。

本研究成果のポイント〕
1. 第一足根中足関節の関節面が3つに分かれている足部で、関節面の軟骨変性が軽度であることが明らかにした点。


図1 第一足根中足関節の構造と模式図。
(a)第一足根中足関節の底側像、(b)第一中足骨関節面の底内側像、外側足底突起(矢印)に下外側関節面(*)が形成されている。
(c)第一中足骨関節面の内側像、(d)内側楔状骨関節面の底側斜位像、底外側の斜面(矢印)に下外側関節面(*)が形成されている。
第一中足骨と内側楔状骨ともに関節面内側の括れ(△)により関節面が上下に分離している。
SF,上関節面;IF,下関節面;TA,前脛骨筋付着部;TP,後脛骨筋付着部;PL,長腓骨筋

図2 第一中足骨の関節面Type分類
Type Ⅰ、単関節面;Type Ⅱ-a、関節面が上下に分離する2関節面;Type Ⅱ-b、関節面が上下に分離せず下外側関節面が形成される2関節面;Type Ⅲ、関節面が上下に分離し、下外側関節面を形成される3関節面。
1,単関節面;2,上関節面;3,下関節面;4,下外側関節面。

 


図3 内側楔状骨の関節面Type分類
Type Ⅰ、単関節面;Type Ⅱ-a、関節面が上下に分離する2関節面;Type Ⅱ-b、関節面が上下に分離せず下外側関節面が形成される2関節面;Type Ⅲ,関節面が上下に分離し、下外側関節面を形成される3関節面。
1,単関節面;2,上関節面;3,下関節面;4,下外側関節面

 

 

原著論文情報
Sakamoto K, Edama M, Osanami H, Yokota H, Hirabayashi R, Sekine C, Ishigaki T, Akuzawa H, Toriumi T, Kageyama I. Relationship between joint structure of the first tarsometatarsal joint and its degeneration. Sci Rep. 2024 Jun 12;14(1):13547. doi: 10.1038/s41598-024-64064-x. PMID: 38866886; PMCID: PMC11169535.