新潟医療福祉大学 運動機能医科学研究所


4/17 勉強会

【研究報告】

担当:丸山さん

タイトル:経頭蓋交流電気刺激と正中神経刺激による体性感覚機能の賦活

  • 目的:感覚機能を賦活する介入プロトコルの検討.経頭蓋交流電気刺激(tACS)と正中神経刺激が体性感覚機能および一次体性感覚野の興奮性に及ぼす影響を明らかにすることとする.
  • 方法:対象は右利き健常成人とし,3つの介入条件(2つの刺激条件,sham条件)の効果を比較する.評価は体性感覚誘発電位と二点識別覚検査を介入直後および介入40分後で実施する.
  • 今後の予定:データ計測,解析を進める.

【文献抄読】

担当:北谷先生

タイトル:The relationship between motor pathway damage and flexion-extension patterns of muscle co-excitation during walking

出典:Srivastava et al., Front Neurol. 2022, DOI: 10.3389/fneur.2022.968385

  • 目的:脳卒中後患者における皮質脊髄路・皮質網様体路の損傷と歩行中の筋シナジー数の減少との関連を検討した.
  • 方法:対象は44人の脳卒中後患者とした.表面筋電図計測にて歩行中の筋シナジー数を算出し,拡散テンソルトラクトグラフィー解析により皮質脊髄路と皮質網様体路の神経線維を描出した.
  • 結果: 皮質脊髄路の損傷は筋シナジー数の減少と関連していた.皮質網様体路の損傷は皮質脊髄路より多くの臨床的・バイオメカニクス的歩行指標と関連していた.決定木分析により皮質脊髄路と皮質網様体路両方の損傷により歩行中の筋シナジー数が2つに減少する樹形図が得られた.
  • 結論:皮質脊髄路の損傷は筋シナジー数の減少と歩行機能を低下させる.皮質脊髄路と皮質網様体路両方の損傷により歩行中の筋シナジー数が2つに減少する歩行障害が生じることが示唆された.