新潟医療福祉大学 運動機能医科学研究所


12/5 勉強会

【文献抄読】

担当:村上さん

タイトル:Relationship between Nordic hamstring strength and maximal voluntary eccentric, concentric and isometric knee flexion torque

出典:Nishida et al., PLoS One. 2022 DOI:10.1371/journal.pone.0264465

  • 背景:Nordic hamstring(NH)exerciseは,Hamstring strain injuries(HSI)の予防のために実施され,そのリスク予測として用いられている.しかし,NH- strengthが具体的に何を示しているかは明らかとされていない.
  • 方法:HSIの既往がない健常若年男性16名が研究に参加した.NHでは,各参加者に3秒間で可能な限り前傾するよう指示し(約30°/秒),動作中の利き脚の足関節にかかる力(NH- strength)を測定した.最大随意性(MVC)膝屈曲トルクは,腹臥位で利き脚の膝屈曲30°,45°,60°,90°で等尺性(ISO),30°/s,60°/sで短縮性(CON),伸張性(ECC)収縮を行った.従属変数間の相関は,Pearsonの相関係数を用いて評価した.
  • 結果:NHのピークトルクは96.8~163.5Nm,ECC膝屈曲ピークトルクは30°/秒で50.7~109.4Nm,60°/秒で59.2~121.2Nmの範囲であった.NHのピークトルクとECC膝屈曲ピークトルクの間には,有意な相関は見られなかった(r = 0.24-0.3, p = 0.26-0.4).また,ISO膝屈曲ピークトルク(r = -0.03-0.1, p = 0.71-0.92)およびCON膝屈曲ピークトルク(r = 0.28-0.49, p = 0.053-0.29)も同様にNHのピークトルクと有意な相関は見られなかった.
  • 結論:NH- strengthは,isokinetic dynamometerで測定した膝屈曲トルクと関連性がないことが明らかとなった.ハムストリングの筋力以外の要因が,NH- strengthに影響を及ぼしている可能性がある.