新潟医療福祉大学 運動機能医科学研究所


2/13 勉強会

【研究報告】

担当:立木

タイトル:経頭蓋陰極直流電流刺激後の末梢神経電気刺激が皮質脊髄路の興奮性に与える影響

  • 目的:経頭蓋陰極直流電流刺激(tDCS)後の末梢神経電気刺激(PES)が皮質脊髄路興奮性に与える影響について明らかにすることであった.
  • 方法:対象は健常若年成人12名であった.介入は陰極tDCS条件,PES条件,陰極tDCS後のPES条件の3条件を別日に実施した.tDCSは陰極を左一次運動野,陽極を右眼窩上へ貼付し,1 mAで10分間の刺激を行った.PESは右尺骨神経に110%運動閾値強度,30 Hzの刺激頻度,4秒on / 6秒offのduty cycleで20分間施行した.皮質脊髄路の興奮性の指標は経頭蓋磁気刺激による運動誘発電位(MEP)により介入前(pre1とpre2)2回と介入直後から20分後まで5分間隔で各15波形ずつ記録した.
  • 結果::陰極tDCS条件ではpre1とpre2に対し介入直後,5分後でMEP振幅の有意な低下が認められ,PES条件ではpre2に対し介入5分後,10分後,15分後にMEP振幅の有意な増大が認められた(p<0.05).一方,陰極tDCS後のPES条件ではMEP振幅の有意な変化が認められなかった(p>0.05).
  • 結論:陰極tDCS後のPES条件は皮質脊髄路の興奮性変化に有意な変化を認めなくなることが明らかとなった.

 

【文献抄読】

担当:早尾

タイトル:Effectiveness of daily eccentric contractions induced via kilohertz frequency transcutaneous electrical stimulation on muscle atrophy

  • 目的:2週間の後肢非荷重に対して,高頻度電気刺激を伴う各収縮様式の筋萎縮予防効果を検討した.
  • 方法:雄性Sprague-Dawley 24匹を対象とし,Control群(Cont),後肢非荷重群(HU),後肢非荷重+電気刺激群では短縮性収縮群(HU+cES),等尺性収縮群(HU+iES),伸張性収縮群(HU+eES)を設けた.各群においてヒラメ筋湿重量,筋横断面積,Akt,FoxO3a,rpS6,Atorgin-1,ユビキチン化タンパクの計測を実施した.
  • 結果:後肢非荷重に対して,高頻度電気刺激を伴う伸張性収縮は短縮性収縮,等尺性収縮と比較して効果的であった.HU+eES群では他の収縮様式群と比較して筋湿重量の低下は軽減し,HU+eES群はCont群と同等の筋横断面積であった.また,HU+eES群はHU+cES群,HU+iES群と比較してp-Akt,p-FoxO3a,p-rpS6は高値を示した.
  • 結論:本研究では,後肢非荷重によるヒラメ筋萎縮に対して,高頻度電気刺激を伴う伸張性収縮介入は効果的な方法であることが示唆された.