新潟医療福祉大学 運動機能医科学研究所


8/1 勉強会

【研究報告】

担当:佐々木

タイトル:反復的他動運動の運動頻度の違いが体性感覚誘発電位に与える影響

要旨

  • 目的:本研究の目的は,示指の反復的他動運動の運動頻度の違いが体性感覚誘発電位(SEP)に与える影響を明らかにすることであった.
  • 方法:対象は健常成人15名であった.他動運動課題は10分間の反復示指外転運動とし,運動頻度は0.5,1,3,5 Hzの4条件とした.SEP波形は頭皮上のC3’を記録電極,Fzを基準電極として導出した.SEPを誘発するための末梢電気刺激は,右手関節部の尺骨神経に行い,運動閾値強度の110%で1.5 Hzの刺激頻度で刺激した.SEPは他動運動課題の介入前と介入終了後0分から24分までの4分毎に各360波形計測した.
  • 結果:3 Hz条件では介入終了後の0分から12分にかけてP60の有意な低下が認められたが(P < 0.05),0.5,1,5 Hz条件ではP60の有意な変化は認められなかった.さらに,全条件でN20とP25には有意な変化は認められなかった.
  • 結論:SEPのP60成分は,10分間の3 Hz反復的他動運動後に低下することが明らかになった.

 

【文献抄読】

担当:柳

タイトル:Relationship between trunk and foot accelerations during walking in healthy adults

要旨

  • 目的:健常成人が自ら決めたペースでトレッドミルを歩行中の体幹と足の加速度パターンを調査した.
  • 方法:40名の健常被験者を対象に加速度計を内蔵した慣性センサーを体幹と足関節にゴムストラップで固定し,トレッドミルを3分間歩行した.前頭面と矢状面の体幹と足の加速度の時系列データから二乗平均平方根(RMS)と近似エントロピー(ApEn)を導いた.
  • 結果:体幹の加速度のRMSは矢状面と前頭面の足のRMS値と強い相関があった.体幹のApEn値は矢状面の足のApEn値とのみ中程度の相関があった. 前頭面では有意な相関は無かった.
  • 結論:健常成人では,足のばらつきの増加は体幹のばらつきの増加と関係している.