新潟医療福祉大学 運動機能医科学研究所


4/20 勉強会

【研究報告】

担当:江玉

タイトル:長母趾屈筋による足趾屈曲作用の解剖学的検討

要旨

  • 目的:本研究では,長母趾屈筋腱の横断面積を計測することで長母趾屈筋がどの程度足趾の屈曲に関与しているかを検討することを目的とした.
  • 対象:日本人遺体55体100側(平均年齢76.8±11.4歳,男性61側,女性39側)とした.
  • 結果:長母趾屈筋の停止部位に関しては,第Ⅱ・Ⅲ趾へ分岐するものが54%で最も多く,長母趾屈筋がⅠ趾のみに停止するものは存在しなかった.長母趾屈筋は,約50~70%が第Ⅰ趾に停止する腱で構成されており,第Ⅱ趾に分岐するものは約30%,第Ⅲ趾に分岐するものは約20%,第Ⅳ趾に分岐するものは約10%であった.しかし,第Ⅱ・Ⅲ趾の長趾屈筋における長母指屈筋の割合は,約50~70%と高い割合を占めていた.
  • 考察:停止部位と横断面積の割合から考えると,長母趾屈筋の作用は,母趾の屈曲だけでなく,第Ⅱ・Ⅲ趾の屈曲作用も大きいことが推察された.