新潟医療福祉大学 運動機能医科学研究所


9/1 勉強会

【研究報告】

担当:椿

タイトル:定常負荷による自転車エルゴメータ駆動中の頭部酸素化ヘモグロビン濃度変化

要旨

  • 目的:運動強度を一定にし,自転車エルゴメータ駆動したときの頭部酸素化ヘモグロビン濃度変化(O2Hb)と平均血圧(MAP)および頭皮血流(SBF)の変化との関係を明らかにすること.
  • 方法:最高酸素摂取量の50%および30%の負荷量で20分間の自転車エルゴメータ駆動を行い,その間のO2Hb,MAP,SBFを測定した.また,領域ごとに変化を観察した.phaseごとの相関係数を算出した.
  • 結果:領域により,O2Hbの変化は同じではなかった.また,O2HbとMAPあるいはSBFの相関関係は,領域やphaseによりその強さが異なっていた.強度によって,O2Hbの変化およびO2HbとMAPあるいはSBFの相関関係の強さは異なっていた.
  • 考察:定常負荷運動中であっても, O2Hbの変化は領域により異なっていた.O2HbとMAPあるいはSBFとの相関関係の強さは,領域および相によっても一様ではなく,O2Hbの解釈にはこれらを含めた配慮が必要であると考えられた.

 

【文献抄読】

担当:佐藤

タイトル:Passive heat exposure induced by hot water leg immersion increased oxyhemoglobin in pre-frontal cortex to preserve oxygeneration and did not contribute to impaired cognitive functioning

要旨

  • 目的:脚部への受動的な温熱浸水が前頭前野への酸素供給に影響するか否か,およびそのことが認知機能に影響するか否かと検証した.
  • 方法:成人男性11名を対象に,38℃,40℃,42℃の水温による足浴(膝までの浸水)を55分間実施した.前頭前野の酸素供給については,fNIRSを用いて評価し,認知機能の評価には,Short-term memory testを用いた.また,直腸温,心拍数,収縮期血圧,拡張期血圧,平均血圧の経時的変化を観察した.
  • 結果:42℃の足浴を実施した場合,30分以降に酸素化ヘモグロビンの増加が認められた。認知機能については,温度による違いは認められなかった.
  • 結論:受動的な温熱浸水によって前頭前野の酸素化ヘモグロビンが増加する.しかし,その増加と認知機能との関連は不明であった.