新潟医療福祉大学 運動機能医科学研究所


2/25 勉強会

文献抄読
担当:菅原
論文
Tremblay S et al.
Anodal transcranial direct current stimulation modulates GABAB- related intracortical inhibition in the M1 of healthy individuals. NeuroReport 2013.
要旨
  • 目的;tDCSは極性により大脳皮質の興奮性に変化を生じさせることが報告されている.そこで本研究の目的はAnodalおよびCathodal tDCSがGABAB由来である皮質内抑制に及ぼす影響を明らかにすることである.
  • 方法;対象は健常成人10名であった.tDCS(Anodal/Cathodal)前後に20%随意収縮中のMEP amplitudeとCortical Silent Period(CSP),安静時にGABAB由来の皮質内抑制とされるLong Intracortical Inhibition(LICI)の計測を行った.
  • 結果;Anodal tDCSではMEP amplitudeの増加とCSPの短縮が見られたが,LICIには変化が見られなかった.一方,Cathodal tDCSではMEP amplitude,CSP,LICIすべてにおいて変化が見られなかった.
  • 結論;Anodal tDCSではLTPやNDMAの関与によりGABABの抑制作用が減少し,CSPの短縮が生じたと考えられる.

 

研究報告

担当:椿

研究テーマ:運動強度の違いによる頭部酸素化ヘモグロビン濃度と血圧および頭皮血流との関係

  • 目的:運動強度を変化させたときの頭部酸素化ヘモグロビン濃度の変化と血圧および頭皮血流の変化との関係を明らかにすること.
  • 方法:最大酸素摂取量の30%,50%,70%の負荷量で自転車エルゴメータ駆動を行い,その間の頭部酸素化ヘモグロビン変化量,平均血圧,頭皮血流を測定.phaseごとの相関係数を算出.
  • 結果:負荷強度の増加に伴い,血圧,心拍数,酸素摂取量,二酸化炭素排泄量は増加.酸素化ヘモグロビン変化量は最大酸素摂取量の50%までは増加したが,70%2分後から徐々に低下し,高強度運動後には安静時以下まで低下.酸素化ヘモグロビン量と平均血圧との相関関係は,50%では正の,70%では負の強い相関関係.
  • 考察:運動強度が異なると血圧との相関関係に差異.課題によって酸素化ヘモグロビン変化量への影響は異なるため,これを考慮した解析が必要.