新潟医療福祉大学 運動機能医科学研究所


12/10 勉強会

文献抄読

担当:山代

論文Lim M, Kim JS, Chung CK. Modulation of somatosensory evoked magnetic fields by intensity of interfering stimuli in human somatosensory cortex: An MEG study NeuroImage 61 (2012) 660-669.

要旨

  • 目的:異なる強度の干渉刺激が,test刺激により誘発される対側の一次体性感覚野(SI)および両側の二次体性感覚野の活動に及ぼす影響について検討する.
  • 方法:対象は,健常成人18名とした.刺激部位は左手の正中神経刺激とした.条件として,test刺激を3-4秒に1回呈示するtest条件とtest刺激の間に2-4回の異なる強度の干渉刺激を呈示する3種類の干渉刺激条件を実施した.1) 閾値+1mAの強度の干渉刺激を呈示する弱干渉条件,2) 短母指外転筋の収縮を伴う中干渉条件,3) 痛み閾値の-1mAの強干渉条件の3条件とした
  • 結果:刺激対側のSIではtest刺激後20ms (N20m),35ms (P35m),60ms (P60m)に活動が観察され,両側SIIでは100ms (100m)付近の活動が観察された.N20mは,いずれの干渉刺激条件でも振幅の変化がなかった.P35mは,test条件に比べ中干渉条件で振幅が減弱した.P60m,100mはtest条件に比べ,全ての干渉条件で振幅が減弱した.しかし,その減弱率は中干渉条件でほぼ最大であり,強干渉条件と差がなかった.
  • 結論:N20mとP35m/P60mはNeural populationが異なる.P35m/P60mは,比較的recovery cycleが長いIPSPを反映している可能性がある.SIIは,SIより長い記憶幅を持ち異なる刺激強度の統合に関わる可能性がある.