認知心理学を取り入れたWeb問題演習ツールで、 資格検定の合格率アップにチャレンジ。 | NSGグループ

認知心理学を取り入れたWeb問題演習ツールで、 資格検定の合格率アップにチャレンジ。

2024.10.31 Thu

株式会社クレアールでは、認知心理学の理論を活用したWeb問題演習ツール「CROSS STUDY」を開発し、現在は司法書士や社労士など12種類の講座において、1万人以上の受講生がこのツールを利用しています。

このツールはなぜ開発されたのか、開発において特に力を入れた機能や、ユーザーにとってのメリット、そして今後のサービス展開について、株式会社クレアール プロジェクト推進室 室長の泉 麻里子さんに伺いました。

効率的な学習法の提供のために、新たなシステムの必要性を実感。

ー 「CROSS STUDY」とはどのようなシステムなのでしょうか。

「CROSS STUDY」は、クレアールの問題集を時代に合わせて進化させた、Web問題演習ツールです。スマートフォンやパソコンで、いつでもどこでも気軽に問題演習ができます。また自分でカスタマイズした問題集を作れたり、一度解いた問題が最適なタイミングで配信されたりする機能によって、記憶の定着にも高い効果が期待できます。

 

ー 「CROSS STUDY」が開発されるまでの背景を教えてください。

もともとクレアールでは、合格に徹底的にこだわり、試験問題を徹底的に分析して合格に必要な学習範囲を絞り込んだ「非常識合格法」という指導法を提供していました。この方法は多くの受講生の合格に繋がりました。しかし、資格指導歴55年の中で、学習において「何を覚えるか」は確かに重要ですが、それだけでは不十分で、「どう覚えるか」が合否を大きく左右すると感じるようになりました。事実、学習に多くの時間を費やして何度も挑戦する方もいれば、1回の挑戦で合格する方もいます。

私たちはこの結果の違いを、個人の能力や努力の不足とは考えませんでした。不合格の方は資格試験の学習に対するコツのようなものを掴めていないだけで、そのコツを習得することで、さらに多くの方を合格に導けると確信しました。そこで、より効果的な学習方法を提供するために、新しい学習支援ツールの開発に取り組むことを決めました。

 

ー 認知心理学を取り入れるきっかけとなったエピソードがあれば教えてください。

あるスタッフの経験が大きなきっかけとなりました。そのスタッフは司法書士という難関資格を目指していましたが、4度目の試験にも不合格となり、非常にショックを受けました。自分なりに完璧に勉強したという自信があったにもかかわらず合格できなかったことで、彼は「勉強方法自体が間違っていたのではないか」と考えるようになったのです。

 

ー その後、どうされたのですか。

彼は司法書士の勉強を続けながら、学習方法を根本から見直すために、様々な学問や理論を調べ始めました。そして、その過程で出会ったのが「認知心理学」でした。彼はこの認知心理学に基づく学習法を取り入れることで、翌年の試験で見事合格を果たしました。現在、彼は講師として受講生とも向き合っており、その経験から「この学習法を他の受講生にも広めたい」と考え、新しい学習支援ツールの開発に着手することになりました。

試行錯誤を繰り返し、他に類を見ない学習支援ツールが完成。

ー 開発にあたって苦労した点はどのようなところですか。

認知心理学の理論をどのようにアプリケーションに反映させるか、という点が最も大きな課題でした。認知心理学の理論は非常に専門的であるため、システムに組み込むには理論の軸を守りながら単純化していくことが必要でした。開発を担当してくれたソフトウェア会社の方々は、ソフトウェア開発のプロフェッショナルですが、認知心理学に関しては専門外です。そのため、私たちは理論をどのように具体的な機能として実装するかについて、何度も議論を重ねました。

 

ー 理論をどのようにシステム落とし込んだのでしょうか。

私たちが考えた理想的な学習機能をそのままアプリケーションに反映しようとすると、ユーザーの使い勝手とのバランスが難しい部分がありました。ソフトウェア会社からは「それは使いづらいのでは?」と忌憚のないフィードバックを受けることも多々ありました。しかし、お互いの意見を尊重しながら多くの対話を重ねて、理論と使いやすさを両立させるための解決策を見つけていくことができ、最終的に「CROSS STUDY」を完成させることができました。

学術的な裏付けを得て、より効果的なツールであることを確信。

ー 「CROSS STUDY」を開発する上で重要視した認知心理学の理論は。

「検索練習」です。これは単にテキストや資料を何度も読み込むのではなく、一度覚えた情報を定期的に思い出す、”検索する”ことで、記憶の定着をより強固にするというものです。何度も記憶を呼び起こすことで、長期的な記憶が強化され、試験など実際に知識を活用する場面で適切に情報を引き出せるようになります。例えば、CROSS STUDYには「確認テスト」機能が搭載されており、学習履歴に基づいて最適な復習問題が自動で配信されます。これは、受講生が学習した内容を思い出すための適切なタイミングを狙って復習を促すためのものです。このような検索練習を継続的に行うことで、受講生は記憶の強化と理解の深化を効率的に進めることができます。

 

ー 「検索練習」は学術的にも効果があるわけですね。

はい。「CROSS STUDY」については、岡山大学学術研究院教育学域 岡崎善弘准教授にもご意見をいただきました。認知心理学の専門家の観点から「検索練習は最も効果的な学習法の一つ」とお墨付きをいただきました。これにはとても励まされました。

 

ー 認知心理学の勉強法についての動画も受講生に公開されていますね。

はい。この動画の特徴は、効率的な学習方法を教えていることです。動画の製作では、岡崎准教授に監修していただきました。受講生がどのように取り組めば効率的に学習できるのか、学習方法の基本的な部分について詳しく解説しています。理論と実践の両方を説明しているので、視聴した受講生からの評判もとても良いです。他社でも資格試験に関する講義動画は多くありますが、学習方法そのものを教える動画はあまり見かけないと思います。

 

ー 現在、いくつの講座に「CROSS STUDY」を取り入れているのですか。

最初は司法書士の講座で「CROSS STUDY」を導入しました。その後、受講生からのフィードバックを受けて、少しずつ対応する講座を増やしていきました。現在では、当社が提供している13講座のうち12講座に「CROSS STUDY」を導入しており、1万人以上の受講生にご利用いただき、高い評価をいただいています。

常にユーザー目線で、資格・受験の合格までしっかりとサポート。

ー 開発されてきた立場として、ユーザーにお伝えしたいことはありますか。

「CROSS STUDY」は、進化していくアプリケーションです。実際に使っていただいている受講生の方々にとって使いやすく効果的な学習支援ツールとなるように、寄せられたご意見には全て目を通して、改善を重ねています。私たちも受講生の皆さんと共に成長し続けたいと考えており、学習に役立つ新機能のアイデアや改善点について常に模索しています。

 

ー 今後の方向性やビジョンをお教えください。

リスキリングという言葉が急速に普及し、資格取得を目指す学習者が増えていますが、それに伴い、私たちのような資格支援業界の競争は激化しています。その中で私たちは、単に教材を提供するだけではなく、受講生一人ひとりに寄り添いながら合格までしっかりサポートする体制をさらに強化したいと思っています。今後も学術的な裏付けのある学習法や最新の技術を取り入れ、受講生に信頼される資格取得支援企業を目指していきます。

 

ー 受講生と共に合格を目指すスタンスが重要なのですね。

その通りです。私たちは受講生一人ひとりが合格を果たし、それぞれの目標を達成できることを最優先に考えています。また、これはオンライン学習のメリットですが、地域に関係なく全国どこへでも同じ品質のサービスを提供することができます。私たちはオンライン学習のスタイルを大切にしながら、最大限の効果をお届けできるよう、引き続き受講生の学習を支援していきます。

 

ー 「CROSS STUDY」を利用した結果、受講生の合格率に変化は見られましたか。

2023年8月に「CROSS STUDY」のサービスを開始し、最初に受講された方々が今年の夏に試験を受けました。その合格発表について、現時点では結果待ちの状況ですが、良い結果が出ることを期待しています。試験に合格された受講生の皆さんからのフィードバックも楽しみですね。これからもさらなる改善を重ねていきたいと考えています。

 

株式会社クレアール

難関国家資格対策において長年にわたり多数の合格者を輩出してきた、資格受験指導歴55年のWeb通信専門スクールです。限られた時間を有効に活用するための『合理的かつ集中的な学習』の実現には、『各種試験に精通し熟知した良質な講師・良質な教材・適切なカリキュラムの提供』が大前提であると考え、従来のスクールにはない画期的な合格理論「非常識合格法」や「Vラーニングシステム」を先駆けて確立しました。エビデンスに基づく資格学習方法の提供にも力を入れており、認知心理学の学習法を組み込んだWeb問題演習ツール「CROSS STUDY」をリリースしました。

東京都千代田区神田三崎町1-1-17 ハヤシビル
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