フランス人も羨む日本の「NISA」 死角はないか
「NISA(ニーサ)」。野球の「ショーヘイ・オータニ(大谷翔平選手)」ほどではないが、日本にやってきた海外の投資や金融の関係者が決まって口にするバズワードになっている。NISAは日本の個人向けの少額投資非課税制度。今年1月から非課税枠が広がり、かつ恒久化されたことで、世界の市場関係者に広く知られるところとなった。 「フランスもNISAのような改革をしてほしい」。仏ナティクシス・インベストメント・…
日銀の植田和男総裁は2023年4月の就任から異次元緩和解除など5回の政策変更に動き、日本は金利ある世界に足を踏み入れた。11月28日の日本経済新聞の単独インタビューで追加利上げの判断のポイントは「賃金動向と、賃金の価格への転嫁の動向だ」と語った。経済データを見ると、日本経済には賃金と物価がともに上がる変化の兆しが見えつつある。一方、円安など長期緩和の副産物ともいえる現象が政策運営にまだ重くのしか…
金融庁が保険代理店のFPパートナーに対し、保険業法に基づく立ち入り検査に入ったことが分かった。同社は、多額の広告費を支払った生命保険会社の保険商品を優先的に顧客に推奨していた疑いがあり、9月に報告徴求命令を受けていた。立ち入り検査を通じて販売実態などの解明を進める。 FPパートナーは、ファイナンシャルプランナーなどの資格を持つ社員が家計の相談に乗る「マネードクター」を展開する大手保険代理店。訪問…
三菱UFJ銀行の都内2支店の貸金庫で、同行行員が顧客の現金や貴金属を盗んだことが明らかになった。信用商売の銀行で起きた盗難事件は衝撃を与えたが、一般になじみの薄い銀行の貸金庫とはどのようなサービスなのか。現状を調べると、構造的なリスクも浮かび上がる。 貴重品保管に利用 貸金庫は顧客である個人や法人に対して、重要書類や貴金属、思い出の品などを盗難や災害から守るために銀行が金庫を貸し出すサービスだ。…
投資一任サービスのロボットアドバイザー(ロボアド)最大手のウェルスナビは29日、三菱UFJ銀行による自社へのTOB(株式公開買い付け)に賛同すると発表した。メガバンクの完全子会社になることで顧客基盤の大幅拡大への道を開いた。一方、ロボアド事業は新規の顧客獲得が難しくなってきており、サービスの進化が必要な局面にある。 【関連記事】 ウェルスナビの2024年1〜9月期決算は、売上高にあたる営業収益は前…
「円売り連鎖でキャピタルフライト(海外への資本逃避)になれば、1ドル=200円、300円も冗談でなくなる」。ある自民党議員は海外投資家から真顔でそう脅されたという。 植田和男氏が日銀総裁に就いて1年半。金融政策のモード転換を着実に進めてきたが「利上げを急ぐべきではない」(国民民主党の玉木雄一郎代表)との声が上がる。確かに現時点で日本経済に過熱感があるわけでは全くない。 日銀が真正面から答えること…
金融正常化を進める日銀が10年超続いた異次元緩和の副作用に向き合っている。植田和男総裁は日本経済新聞の取材で「一段の円安はリスクが大きい」との認識を示した。場合によっては政策変更で「対応しないといけなくなる」と強調した。円安圧力はくすぶり続けており、日銀は経済の不確実性と両にらみの対応を迫られる。 植田総裁は就任以降、5回の政策変更を実施した。2023年7月と10月に長短金利操作(イールドカーブ…