JPモルガンが和解金111億円、米富豪の性的虐待問題で
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【ニューヨーク=斉藤雄太】米銀最大手のJPモルガン・チェースは26日、少女らへの性的虐待などの罪で起訴された米富豪のジェフリー・エプスタイン元被告(2019年死亡)との関係をめぐる訴訟で、米領バージン諸島に和解金7500万ドル(約111億円)を支払うことで基本合意したと発表した。
JPモルガンは大口顧客だったエプスタイン元被告に金融サービスの提供を続け、被害の拡大を招いたと批判を浴びている。元被告がかつて住んでいたバージン諸島の当局は法令順守の不備を理由にJPモルガンを訴えていた。同社は罪状認否はせず、人身売買や性犯罪の問題に取り組む地元の慈善団体などに資金を支払う。
同社は声明で「元被告との関係を深く後悔している。凶悪な犯罪行為に銀行がなんらかの形で使われたと考えていれば、決して取引を続けることはなかった」と述べた。
JPモルガンはエプスタイン元被告と親交のあった元幹部のジェス・ステイリー氏を情報の隠蔽などの理由で提訴していたが、同氏と和解に至ったことも26日公表した。合意内容は明らかにしていない。
エプスタイン元被告をめぐる一連の問題ではJPモルガンが6月、集団訴訟を起こした被害女性らに和解金を支払うことで合意した。米メディアによると2億9000万ドルを支払う。ドイツ銀行も元被告の被害者に7500万ドルの和解金を支払うことで合意している。