パリ五輪(オリンピック)の女子ボクシング66キロ級で金メダルに輝いたアルジェリア代表イマネ・ヘリフが「生物学的に男」だという医療報告書が流出された。
インドメディアの「ザ・タイムズ・オブ・インディア」と「ヒンドゥスタン・タイムズ」が5日に報道。「フランスの雑誌ジャファール・アイト・アウディアが確保した文書には、カリフの睾丸(こうがん)が体内に埋もれていて、XY染色体を持っている。子宮は見当たらない、との内容が含まれている」と報じた。
この報告書は、昨年6月にパリ市内のクレムリン・ビセトル病院とアルジェリアのモハメド・ラミン・ドバギン病院の専門家らが作成したものという。
パリ五輪中、ヘリフの性別問題は大きな騒動となっていた。
【ヘリフ性別問題】
▼失格 21年東京五輪にも出場した選手だが、昨年の世界選手権で性別適格性検査をクリアできず。男性のXY性染色体を持つ選手の女子競技出場を禁じるIBAの規定違反とされた。ただ、IBAは統括団体の地位を剥奪されており、パリ五輪はIOCが競技を統括しているため出場可に。
▼問題化 今大会2回戦で相手のカリニ(イタリア)が圧倒的な力の差を感じたのか開始46秒で棄権。「鼻に強い痛みを感じ、自分の命も守らなければならなかった」などと発言した。
▼会見 準決勝前日の5日にIBAクレムレフ会長(ロシア)が会見。ヘリフと林(台湾)のテストステロン値が高いとして「男性」認定。IOCは「女性として生まれ育っている」。米トランプ前大統領らも巻き込んでいた。