アルビレックス新潟レディースが、ホームで三菱重工浦和と0-0で引き分けた。
新潟のシュート数4本に対して、相手は14本。再三のピンチを、全員で体を張って耐え、失点しなかった。リーグ3連勝は逃したが、3連覇を狙う女王相手に踏ん張った。クラシエ杯含む公式戦無失点試合を4とした。
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新潟レディースは後半41分にカウンターから一気に相手陣地に攻め込んだ。この試合最後のビッグチャンス。MF川澄奈穂美(39)からフリーでパスを受けたMF滝川結女(25)が左足を振り抜いたが、ポスト直撃。そのまま得点奪えず、スコアレスドローで試合が終わった。橋川和晃監督(53)「もちろん勝ちたかった」と話した。
痛み分けで終わった悔しさと同時に、橋川監督は「この勝ち点1はポジティブにとらえる」とも言った。新潟のシュートは4本。多くの決定機は作れなかった。対して浦和は14本。何度も自陣に攻め込まれたが、指揮官が常々口にする「際の部分」を相手にやらせなかった。
就任2年目で攻撃で柔軟に攻める「堅守柔攻」をチームに浸透させている。昨季はリーグ屈指の堅守を印象づけ、クラブ最高の4位。MF川澄も「うちの強み」と自負する守り。今季はその守備力に加え「柔攻」の部分にも注力。シーズン開幕当初こそ、攻守がうまくかみ合わなかったが、指揮官が「守備は決して悪くはない」と言ってきたように、徐々にらしさを取り戻し、4試合連続で無失点を記録した。
それでも、タイトルを目指している以上、引き分けの結果には満足しない。川澄は「勝ち点1は最低ラインであって、今日は及第点」と厳しい言葉も並べた。次節30日は、ノジマ相模原との前半戦ラストゲーム。「必ず勝って終われるように」と川澄。堅守の先の「柔攻」で、点を奪って勝ち点3をつかみ取る。
【大島享也】
○…今季初スタメンのMF川村優理(35)が、攻守で存在感を示した。今季最長の79分間プレー。「勝てる試合だったとは思うけど、堅守も表現できたし、試合内容的には悪くなかった」。膝の不調もあり途中出場が続いたが、強豪相手の一戦で先発復帰。攻撃ではゴール前に何度も顔を出し、守備でも体を張った。ベテランの躍動に橋川監督も「抜群のボランチ。期待通りの活躍だった」と絶賛した。