決勝進出はならなかったが、新山響平のブレないレースが印象に残った。勝った脇本雄太にはもちろん、負けた新山にもたくさんの声援が送られた。
5日目の最終レースは、古性優作が失格して波乱模様で幕を閉じた。1着になった寺崎浩平は、神妙な顔つきでインタビュー。「古性さんにあそこまで仕事させてしまったので、自分がもっと脚力をつけてラインで決まるようにしたい。これからは先行以外も自分ができることを増やしたい。(決勝は)近畿の先頭で自力を出します」と明確に答えた。
古性の走りが、寺崎の決意を固めたと思われる。寺崎は古性に生かされたという思いが強いからだ。
番手を回る脇本も苦しい展開を克服して決勝に勝ち上がった。初日は自信のなさがレースに表れていたが、2走目で突っ張られながらも1着を取ったことで、リズムが戻ったように見える。
車番的には犬伏湧也-松浦悠士が有利だが、準決のことがあるので近畿勢は強引に主導権を奪うだろう。
脇本や寺崎はこの先、タテ足だけでは苦しいと考え、自在性を持つことに苦慮している。脇本は不器用ながらも位置取りに意欲的に取り組んでいる。チャンスを生かしたいところだろう。(日刊スポーツ評論家)
【決勝12R:ヤマコウの印】◎脇本雄太 ○村上博幸 ▲松浦悠士 ☆犬伏湧也 △松谷秀幸