【佐藤駿の言葉】「1日にルッツ10回」“遊び心”でガラリと変わった練習法/現地限定 

【重慶=阿部健吾】フィギュアスケート男子の佐藤駿(20=エームサービス/明治大)がGPシリーズ初優勝を飾りました。ショートプログラム(SP)首位で迎えたフリーでは2位の179・73点、合計278・48点を記録。ミスもありましたが、大崩れせずに演技をまとめ、2季ぶりのファイナル(12月5~8日、フランス・グルノーブル)進出を決めました。

手応えを感じたのは、無心で跳んだ冒頭の4回転ルッツ。成長の裏には、“遊び心”から生まれた独自の練習法がありました。フリー後の現地メディアとのやり取りを「佐藤駿の言葉」としてお届けします。

フィギュア

<フィギュアスケート:グランプリ(GP)シリーズ第6戦中国杯>◇11月23日◇中国・重慶◇男子フリー


順位選手名SPフリー合計
1佐藤駿(エームサービス/明治大)98.75179.73278.48
2ミハイル・シャイドロフ(カザフスタン)93.21182.96276.17
3アダム・シャオ・イム・ファ(フランス)91.22161.31252.53
4ニカ・エガゼ(ジョージア)87.73159.81247.54
5マッテオ・リッツォ(イタリア)84.92158.90243.82
6ダイウェイ・ダイ(中国)82.96154.39237.35
7デニス・バシリエフス(ラトビア)75.75158.92234.67
8ボーヤン・ジン(中国)83.66148.23231.89
9キム・ヒョンギョム(韓国)67.76148.88216.64
10ニコライ・メモラ(イタリア)68.87145.90214.77
11ユードン・チェン(中国)77.73104.87182.60
男子で優勝を決め、万歳する佐藤駿(左)と日下匡力コーチ(共同)

男子で優勝を決め、万歳する佐藤駿(左)と日下匡力コーチ(共同)

日下コーチとシンクロ

フリーを終えて

―緊張はどういったところから起きていましたか

なんていうか、会場の盛り上がりとかがすごかったのもあって、始まる前とかすごく緊張したんですけど。でも自分の中で緊張はしていたんですけど、気持ちの切り替えというか、集中してできていたかなという印象で。ルッツとかもすごい、いつもだったらおそらく失敗していたようなジャンプだったんですけど、そこでやはり立つことができたっていうのは普段の練習の成果だったりとか、気持ちの面で前と変わったところが大きいのかなと思っています。

男子フリーの演技をする佐藤駿(共同)

男子フリーの演技をする佐藤駿(共同)

―どういったところが変わったんですか

そうですね。やっぱ勝負強さというか。どこか失敗したらどうしようとか、そういった悪い感情というか、そういったものを前まではどうしても考えてしまうことも多かったんですけど。最近は本当に、そういうのを全く考えてなくて、逆に「降りよう」とも「大丈夫かな?」とも全く思ってなくて、何も考えずに無心でいれられているので、いつも通り淡々とルッツを入れていて。そういったところが良かったのかなと感じています。

男子フリーの演技をする佐藤駿(共同)

男子フリーの演技をする佐藤駿(共同)

男子フリーの演技を終えた佐藤駿(共同)

男子フリーの演技を終えた佐藤駿(共同)

―今までだったら、今日の跳躍は転倒していましたか

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スポーツ

阿部健吾Kengo Abe

2008年入社後にスポーツ部(野球以外を担当します)に配属されて15年目。異動ゼロは社内でも珍種です。
どっこい、多様な競技を取材してきた強みを生かし、選手のすごみを横断的に、“特種”な記事を書きたいと奮闘してます。
ツイッターは@KengoAbe_nikkan。二児の父です。