日米通算200勝まであと3勝に迫る楽天田中将大投手(36)が24日、自由契約となることを自ら表明した。球団も、30日提出予定の保留選手名簿に記載しないことを発表した。推定年俸は2億6000万円。今季は1試合の登板にとどまっており、球団は野球協約の減額制限(年俸1億円超は40%)を超える来季年俸を提示していた。田中将が自由契約を望み、他チームに移籍する道を選んだ。
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突然の退団発表だった。田中将が自ら自由契約を選択した。球団から減額制限を超える年俸が提示され、熟考の末に他球団への移籍を目指すことを決断。この日、自身のYouTubeチャンネルで「このたび、わたくしは楽天イーグルスと来季の契約を結ばずに新たなチームを探すことに決めました」と報告した。
ため息や時折、言葉に詰まる場面がありながらも、2分59秒の動画に自らの気持ちを込めた。「来季はどこでプレーするか、まだ何も分からない状態ですけど、いいコンディションで、いいトレーニングを積むことができています」。今季は昨年10月に受けた右肘手術の影響もあり、開幕から2軍調整が続いた。9月28日オリックス戦で1軍初登板し5回4失点。18年目で初の未勝利に終わったが、現役続行への思いは強い。
ファンに向けては「日本に戻ってきてから皆さんとともに日本一になりたい一心でプレーしてきました。この4年間でその目標がかなわず、本当に残念です。どんなときも信じて、温かいご声援、ときには叱咤(しった)激励もしてくださり、支えられてきました。ありがとうございます」と感謝の言葉を送った。
駒大苫小牧(北海道)から06年高校生ドラフト1巡目で入団。13年には24勝0敗1セーブの圧倒的な成績で球団初のリーグ優勝、日本一に貢献した。14年からヤンキースでプレー。楽天に復帰した21年からの4年間は計20勝と苦しんだ。
12月2日に公示される保留選手名簿から外れ、各球団と交渉が可能になる。「結論がしっかりと出た時に、またこの場でご報告させていただきます」。日米通算197勝を誇るレジェンド右腕が、新たな道へ歩み始めた。【山田愛斗】
◆田中将大(たなか・まさひろ)1988年(昭63)11月1日、兵庫県生まれ。駒大苫小牧2年夏に甲子園優勝。3年夏は斎藤(早実)と投げ合い決勝再試合の末、準優勝。06年高校生ドラフト1巡目で楽天入団。13年はプロ野球新記録の開幕24連勝をマークし、楽天を初の日本一に導いた。同年オフにポスティングシステムでヤンキース移籍。14~19年に日本人大リーガー最長の6年連続2桁勝利。21年楽天復帰。日米通算197勝(日本119勝、米国78勝)。188センチ、97キロ。右投げ右打ち。夫人はタレントの里田まい。