「オレ流」で駆け上がる！　阪神ドラフト1位指名のNTT西日本・伊原陵人（たかと）投手（24）が14日、大阪市内の同本社で入団交渉に臨み、契約金1億円、年俸1600万円、出来高は3000万円で仮契約を結んだ。即戦力左腕は「相手が誰であろうと自分のスタイルを貫く」と力強く宣言。地に足をつけてプロとしての第1歩を踏み出した。（金額は推定）

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パリッとしたスーツに「虎色」のネクタイを決め、爽やかに登場した。仮契約を終えた直後、伊原の朗らかな表情には自信が満ちあふれていた。

「即戦力ということで結果を求められてくる立場ではありますけど、しっかり自分のスタイルでやるべきことをやるだけです」

最速149キロを誇る即戦力左腕。周囲の期待値は高いが、まずは己のみと丁寧に向き合っている。「普段からあまり自分から情報を入れることはしないですね。テレビも見ないですし、新聞も読みません」。開催中のプレミア12や阪神高知秋季キャンプの情報も積極的には仕入れていない。「今はとにかく自分のやるべきことに集中してるかなって思います」。地に足がついた姿勢が頼もしい。

藤川監督は指名あいさつの際に「ドラフト1位といえば先発スタート」と明言している。担当の熊野スカウトも「大竹や（伊藤）将司はうまくかわすタイプだが、伊原は剛球的な球。直球で勝負できる。先発としてまた違った部分で面白いと思う」と先発起用に太鼓判を押す。当の本人も「目標は開幕1軍＆1年間完走」と1年目からのフル回転へ気合十分だ。

「勝ち星や防御率を残したいという思いはもちろんありますけど、0に抑えれば負けがつくことはないので。とにかく『0に抑える』気持ちはプロでも大事にしたい部分です」

日本選手権では1日のHonda戦に先発し、3回1／3を5安打4四死球2失点で悔しい敗戦。すぐに練習を再開した。「今までやってきたことは変えずに継続して」。自分の信じる道で自身と向き合いながら、力強く階段を駆け上がる。【山崎健太】

○…伊原の父、伸（しん）さんは息子の「晴れ姿」を期待した。父自身は幼少の頃からの巨人ファン。ライバルの阪神に入団した息子に対して「やっぱり甲子園での伝統の一戦のマウンドを見たいですね」と胸を躍らせた。「大応援なので緊張すると思うが頑張ってほしい」。悲願のプロ入りを果たした息子の活躍を待ちわびた。

▽阪神熊野スカウト　（カブス）今永の小さい版みたいな感じで、高めで勝負してくるので、結構やれるかなと思っています。剛球的なボール、真っすぐで勝負できる、そういう力のあるボールを投げられる。