2つに分けることができて、両方とも温暖化に関係する研究です。1つは国際社会を中心にした研究です。国際社会というのはアメリカとか日本とか、国同士が話し合ってパリ協定などの条約に至るわけですが、どういう内容の条約にすれば全ての国が納得して参加できるのかというような、国際的なルールを決めるための研究をしています。
他方では、そうやって国際的なルールが決まったあと、それを国内に持ち帰ったときにどういう対策を取ると一番効果的に実施できるのかというような研究をしています。なぜそれが大切かというと、国によって最適な政策のパッケージが違うからです。
どういう意味かというと、例えばヨーロッパでは、排出量取引制度といって、Aは何トン、Bは何トンというように、事業所ごとに排出できる上限を決めて、その中に排出量を収めるならば何をやってもいいですよという対策を取っています。日本では排出量取引制度を導入しない代わりに、きめ細かく省エネ基準っていうのを設定したりするんですよね。両方とも同時に実施する必要はなくて、どっちか一方あればいいし、あなたの国は排出量取引制度を導入してないから駄目、という話ではないですよね。その国その国で一番受け入れられやすい政策はどのようなものかを決めていきます。