山田 一夫 YAMADA Kazuo|国立環境研究所
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:2024/10/30 12:41:45

山田 一夫

YAMADA Kazuo

氏名
山田 一夫(やまだ かずお)
所属/職名
福島地域協働研究拠点(廃棄物・資源循環研究室)/フェロー
研究課題
材料科学的知見に基づく放射性物質の除染、減容化、処分に関する基礎研究
学位の種類
博士(工学)
専門とする学問分野
材料工学,工学,地学
専門とする環境分野
環境技術,低炭素化
自分の強みのキーワード
セメント化学,表面分析,イオン交換,コンクリートの耐久性,アルカリ骨材反応,相平衡,フェロシアン化物,クロマトグラフィー
関心のある研究、実施してみたい研究
福島第一原子力発電所事故に由来する放射性物質に汚染した廃棄物の熱的減容化、灰洗浄・クロマト濃縮、セメント・コンクリート技術による最終処分に関わる技術開発
研究概要
 私はこれまでセメント製造を主とする企業の中央研究所で基礎研究に携わってきました。その特色は,地質,無機・有機材料,機器分析,力学,そして基礎から現場まで,広範な領域に及ぶ点です。
 大学での地球化学的考察に基づく鉱床成因論に始まり,表面分析技術の延長線としての放射性物質取扱いの知識,構造用セラミックスの高温下での破壊靱性,コンクリートの材料工学一般, セメントのISO規格整合化と基礎研究に関わる国際ネットワーク,高分子分散剤の作用機構解析,熱力学的相平衡を考慮したコンクリート中での物質移動予測,セメント製造への廃棄物利用拡大の基礎研究,地質学的背景に基づくアルカリ骨材反応研究,天然けい石から半導体原料レベルの高純度シリカの合成,下水からのリン回収素材開発,品質トラブル対応での製造現場と市場対応,原子炉高経年化対応委員会など多くの学会活動,材料コンサルタントでの活動,などが成果です。
 これらすべての経歴は,現在,国環研の重要な研究課題の一つである放射能汚染への対応(分離と封じ込め,分離浄化物の有効活用など)を考えると,大変に有効であると考えています。放射線の基礎を理解したうえで,理想論ではなく現実社会が動きえる事業環境を考慮した活動を目指しています。
 私の特性は,個別の先端研究の実行ではなく,既存の枠にとらわれず、学術的観点から当該分野で実施すべき研究課題とその方向性を提示することにあります。具体的には,1)バックエンド研究を活かした必要技術情報の取得と適切な形での公開と現場適用,2)土壌とコンクリート中でのCsの挙動解析と除染/減容化/処分技術評価・再利用促進,3)環境放射能除染学会での限外最終処分技術戦略研究会(幹事),4)原子力学会,コンクリート工学会,土木学会,建築学会などでの新委員会での活動などにも積極的に関与していきます。
略歴
1988東京大学大学院地質学研究課程(修士)卒業
1988小野田セメント(株) 中央研究所
1994秩父小野田(株)(合併社名変更) 中央研究所
1999太平洋セメント(株)(合併社名変更) 中央研究所セメント化学チームリーダー
2010(株)太平洋コンサルタント東京営業所 副部長
2012国立環境研究所 資源循環・廃棄物研究Cフェロー
2018国立環境研究所 福島支部主任研究員
所属学会
日本原子力学会,日本コンクリート工学会,RILEM
個別研究課題
研究成果(誌上)
  • all
  • 査読付き 原著論文
  • 総説・解説
  • 書籍
  • その他
  • まえがき. 本書の使い方. 1章 ASR研究の系譜と展望. 2.1.1-2.1.3 ASR劣化に対する維持管理 維持管理の全体像. 2.6 アメリカにおける維持管理. 3.1.10 遅延エトリンガイト清々. 3.2 詳細調査の具体的手法. 4章 骨材のアルカリ反応性評価と抑制対策. 5章 新しい方法の提案. 8章 コンクリートと骨材および混和剤の詳細分析・評価方法. 9.1 骨材の岩石学的評価 岩石学的評価の概要. 9.3 ASR抑制対策を前提とした骨材の岩石学的分類と評価方法. 10.3 東・東南アジアのASR. 付録C ASR診断事例. 付録D ASR評価のための岩石の観察と記載. 付録E 用語集. 索引
    発表者 : 鳥居和之, 山田一夫
    掲載誌 : コンクリート診断 ASRの的確な診断/抑制対策/岩石学的評価, i-iv xiii-xvi 1-13 15-19 42-49 71-71 75-134 135-166 137-194 279-312 313-315 328-376 400-409 435-454 455-468 469-476 477-484  (2017)
  • 13 Japan, China and South-East Asia
    発表者 : Yamada K.(山田一夫), Miyagawa T.
    掲載誌 : Alkali-Aggregate Reaction in Concrete: A World Review, 539-568 (2017)
  • 発表者 : Yamada K.(山田一夫), Kawabata Y., Kawakami T.
    掲載誌 : Proceedings of the 16th International Conference on Alkali-Aggregate Reaction in Concrete, 2:53-82 (2022)
  • 委員会報告 性能規定に基づくASR制御型設計・維持管理シナリオに関する研究委員会
    発表者 : 山田一夫, 山本貴士, 佐川康貴, 上田尚史, 久保善司, 小川彰一
    掲載誌 : コンクリート工学年次論文集, 39(1):9-18 (2017)
  • 委員会報告ASR診断の現状とあるべき研究委員会
    発表者 : 山田一夫, 川端雄一郎, 久保善司, 合田寛基, 広野真一
    掲載誌 : コンクリート工学年次論文集, 36(1):1-9 (2014)
  • 委員会報告放射性物質の封じ込めとコンクリート材料の安全利用調査研究委員会
    発表者 : 山田一夫, 橘高義典, 十河茂幸, 前川宏一, 今本啓一, 半井健一郎, 宮里心一
    掲載誌 : コンクリート工学年次論文集, 36(1):38-45 (2014)
  • コンクリートのASRによる膨張挙動予測に関する研究
    発表者 : 小川彰一, 山田一夫, 大迫政浩, 佐川康貴, 川端雄一郎
    掲載誌 : コンクリート技術大会(長岡)予稿集, 43-46 (2014)
  • 放射能汚染した飛灰洗浄液からCs濃縮するための 吸着材の性能評価の事例
    発表者 : Yamada K.(山田一夫), Ichikawa T.(市川恒樹), Endo K.(遠藤和人), Miura T.(三浦拓也), Osako M.(大迫政浩)
    掲載誌 : 環境放射能除染学会誌, 11(1):3-13 (2023)
  • 発表者 : Kawabata Y., Yamada K.(山田一夫), Ogawa S., Sagawa Y.
    掲載誌 : Bridge Maintenance, Safety, Management, Life-Cycle Sustainability and Innovations, 2599-2607 (2021)
  • 発表者 : Kawakami T., Sagawa Y., Kawabata Y., Yamada K.(山田一夫), Ogawa S.
    掲載誌 : Bridge Maintenance, Safety, Management, Life-Cycle Sustainability and Innovations, 2637-2643 (2021)
  • 発表者 : Yamada K.(山田一夫), Yamamoto T., Kawabata Y., Sagawa Y., Ueda Y., Kubo Y., Ogawa S.
    掲載誌 : Bridge Maintenance, Safety, Management, Life-Cycle Sustainability and Innovations, 2579-2587 (2021)
  • 発表者 : Yamada K.(山田一夫), Kawabata Y., Ogawa S., Sagawa Y.
    掲載誌 : Bridge Maintenance, Safety, Management, Life-Cycle Sustainability and Innovations, 2608-2612 (2021)
  • イメージングプレートを用いたCs-137とSr-90の判別定量の基礎実験
    発表者 : 大澤紀久, 山田一夫, 竹内幸生, 五十嵐豪
    掲載誌 : コンクリート工学年次論文報告集, 40:63-68 (2018)
  • 発表者 : 五十嵐豪, 山田一夫, 小川彰一
    掲載誌 : コンクリート工学年次論文集, 38(1):1035-1040 (2016)
  • 発表者 : 広野真一, 山田一夫, 佐藤友美, 鳥居和之
    掲載誌 : コンクリート工学年次論文集, 38(1):1047-1052 (2016)
  • Simplified quantitative estimation of ASR expansion
    using acceleration ratio
    based on CPT results
    発表者 : Yamada K.(山田一夫), Osako M.(大迫政浩), Ogawa S., Sagawa Y.
    掲載誌 : Proceedings of CIC2014, Oslo (2014)
  • コンクリートプリズムを用いたASR加速試験における反応促進環境に関する一考察
    発表者 : 佐川康貴, 山本大介, 山田一夫, 大迫政浩, 小川彰一
    掲載誌 : 土木学会第69回年次学術講演会要旨集, 69:963-964 (2014)
  • アルカリ骨材反応の抑制効果の評価方法と膨張予測の新しい考え方
    発表者 : 山田一夫, 大迫政浩, 小川彰一, 佐川康貴, 川端雄一郎
    掲載誌 : 土木学会第69回年次学術講演会要旨集, 69:961-962 (2014)
  • 急速膨張性及び遅延膨張性骨材を用いたコンクリートにおけるASR膨張挙動の予測
    発表者 : 山田一夫, 大迫政浩, 小川彰一, 佐川康貴, 山本大介, 川端雄一郎
    掲載誌 : 土木学会第69回年次学術講演会要旨集, 69:331-332 (2014)
  • セメント水和物とCs の相互作用に関する検討(2) セメント水和物のC-A-S-H の構造とCs の収着に関する検討
    発表者 : 渡邊禎之, 湊大輔, 芳賀和子, 山田一夫
    掲載誌 : 第68回セメント技術大会講演要旨, 68:124-125 (2014)
  • 熱力学的相平衡-物質移動連成システムによるCs 含有焼却飛灰 成分の浸透解析
    発表者 : 細川佳史, 久我龍一郎, 芳賀和子, 山田一夫
    掲載誌 : 第68回セメント技術大会講演要旨, 68:92-93 (2014)
  • フェロシアン化ニッケルを用いたゴミ焼却飛灰中の放射性セシウム 不溶化とセメント固化
    発表者 : 市川恒樹, 山田一夫, 大迫政浩
    掲載誌 : 第68回セメント技術大会講演要旨, 68:244-245 (2014)
  • セメントモルタルへのCs の浸透挙動の評価
    発表者 : 芳賀和子, 柴田真仁, 細川佳史, 山田一夫, 大迫政浩
    掲載誌 : 日本原子力学会「2014年秋の大会」, 213 (2014)
  • セメント水和物とCs の相互作用に関する検討(1) Al の固溶がC-S-H のCs 収着特性に与える影響
    発表者 : 長澤修一, 長瀬孝宏, 渡邊禎之, 山田一夫
    掲載誌 : 第68回セメント技術大会講演要旨, 68:122-123 (2014)
  • 巻頭言 正義と科学
    発表者 : 山田一夫
    掲載誌 : 環境放射能除染学会誌, 8(3):109-110 (2020)
  • 放射性物質に汚染した廃棄物処分へのコンクリート技術の活用
    発表者 : 山田一夫
    掲載誌 : セメント・コンクリート, (829):30-37 (2016)
  • アルカリ骨材反応(ASR)抑制のために骨材生産者ができること・すべきこと -現在のASR抑制対策の限界と新しい方法論-
    発表者 : 山田一夫
    掲載誌 : 砂利時報, 61(1):14-21 (2014)
  • RILEM TC 219-ACSの活動状況を考慮した今後のASR研究について
    発表者 : 山田一夫
    掲載誌 : コンクリートテクノ, 33(6):69-79 (2014)
  • 活動の背景と目的. 放射性廃棄物処分に関連した研究動向. あとがき
    発表者 : 山田一夫, 委員会メンバー (2020)
  • 建設産業全体のカーボンニュートラル化による新しい価値創造
    発表者 : 山田一夫 (2020)
  • 序. 5.3 ASR研究の今後の展望
    発表者 : 山田一夫 (2017)
  • 第2編1.はじめに 1.1事故後の放射性物質の拡散と環境汚染. 4.1.1焼却飛灰の特性. 4.2.1セメント固型化に有効な不溶化剤. 4.3.1最終処分場の要求性能と設計の考え方. 4.3.4アルカリ骨材反応と塩類劣化
    発表者 : 山田一夫 (2014)
  • はじめに. あとがき
    発表者 : 山田一夫 (2014)
研究成果(口頭)
  • all
  • 研究発表
  • 研究講演
委員会活動
  • 2018年度 : イノベーション戦略委員会委員 ((公社)日本コンクリート工学会)
  • 2018年度 : 日本コンクリート工学会研究委員会委員 ((公社)日本コンクリート工学会)
  • 2018年度 : 有害廃棄物・放射性廃棄物処分へのセメント・コンクリート技術の適用研究委員会委員 ((公社)日本コンクリート工学会)
  • 2017年度 : 国際科学技術センター(ISTC)研究プロジェクト提案の事前審査・査読委員 (文部科学省 科学技術・学術政策局)
  • 2017年度 : セメント解析研究会委員 (物質・材料研究機構構造材料研究拠点)
  • 2017年度 : 平成29年度NDF課題別分科会「放射性物質による汚染機構の原理的解明」委員 (原子力損害賠償・廃炉等支援機構)
  • 2017年度 : Advanced Concrete Technology編集委員会委員 ((公社)日本コンクリート工学会)
  • 2017年度 : 日本コンクリート工学会研究委員会委員 ((公社)日本コンクリート工学会)
  • 2017年度 : 有害廃棄物及び放射性廃棄物の処分へのセメント・コンクリート技術の適用に関する研究委員会委員 ((公社)日本コンクリート工学会)
  • 2016年度 : 照射劣化研究会委員 (環境省 原子力規制庁)
  • 2016年度 : ASR(アルカリ骨材反応)研究会主査 ((株)三菱総合研究所)
  • 2015年度 : C-S-H研究委員会顧問 ((一社)セメント協会)
  • 2015年度 : 照射効果研究会委員 (環境省 原子力規制庁)
  • 2015年度 : ASR(アルカリ骨材反応)研究会主査 ((株)三菱総合研究所)
  • 2015年度 : JCI-TC152A 性能既定に基づくASR制御型設計・維持管理シナリオに関する研究委員会委員 ((公社)日本コンクリート工学会)
  • 2015年度 : 日本コンクリート工学会研究委員会委員 ((公社)日本コンクリート工学会)
  • 2014年度 : Journal of Advanced Concrete Technology編集委員会委員  ((公社)日本コンクリート工学会)
  • 2014年度 : コンクリート構造物のアルカリ骨材反応に関する調査研究会とりまとめ主査 (環境省 原子力規制庁)
  • 2013年度 : 未利用資源の有効利用に関するFS委員会委員 ((公社)日本コンクリート工学会)
  • 2019年度 : 第5期学会誌編集委員会委員 ((一社)環境放射能とその除染・中間貯蔵および環境再生のための学会)
  • 2019年度 : 招へい教員 (名古屋大学大学院環境学研究科)
  • 2019年度 : Advanced Concrete Technology編集委員会委員 ((公社)日本コンクリート工学会)
  • 2020年度 : 有害廃棄物・放射性廃棄物処分へのセメント・コンクリート技術の適用研究委員会委員長(延長) ((公社)日本コンクリート工学会)
  • 2020年度 : 内部膨張反応によるコンクリートの膨張評価と予測に関するFS委員会委員 ((公社)日本コンクリート工学会)
  • 2020年度 : 有害廃棄物・放射性廃棄物処分へのセメント・コンクリート技術の適用研究委員会委員長 ((公社)日本コンクリート工学会)
  • 2020年度 : イノベーション戦略委員会委員 ((公社)日本コンクリート工学会)
  • 2020年度 : 招へい教員 (名古屋大学大学院環境学研究科)
受賞
  • 2024年 : WM2024 Superior Paper Award (Waste Management Symposia)
  • 2023年 : WM2023 Papers of Note (Waste Management Symposia)
  • 2023年 : WM2023 Superior Paper Award (Waste Management Symposia)
  • 2021年 : 学術賞 (環境放射能とその除染・中間貯蔵および環境再生のための学会)
  • 2020年 : 論文賞 ((社)九州橋梁・構造工学研究会)
  • 2020年 : 優秀口頭発表賞 (環境放射能とその除染・中間貯蔵および環境再生のための学会)
  • 2019年 : WM2019Superior Paper Award (WM2019 Conference)
  • 2016年 : 2016年日本コンクリート工学会賞(論文賞) (公益社団法人日本コンクリート工学会)
  • 2014年 : 土木学会吉田賞 (公益社団法人土木学会)
  • 2014年 : セメント協会論文賞 (一般社団法人セメント協会)
  • 2013年 : 第10回近藤・大門賞 (近藤・大門賞選考委員会)
学会活動
  • 2021年度 : 日本コンクリート工学会 : 微視的機構に基づくコンクリート構造物中の内部膨張評価と予測に関する研究委員会委員

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