新着情報/お知らせ
- 2023-05-16
- 「D.Chem-Core ー災害・事故時の環境リスク管理に関する情報基盤ー」を公開しました.(環境省報道発表、国立環境研究所報道発表)
災害・事故等に起因 して化学物質の環境排出が起きた際に、行政担当者や専門家などが有用な情報を適切に入手することを支援するために開発されたウェブサイトです(どなたでも無料で利用できます)
D.Chem-Core(https://www.nies.go.jp/dchemcore/)
- 2023-03-16
- 災害・事故に伴う化学物質リスクへの対処をどうするか?
「環境研究総合推進費 戦略的研究開発課題S-17」予定成果講演会
開催報告と講演スライド
- 2022-12-08
- 災害・事故に伴う化学物質リスクへの対処をどうするか?
環境研究総合推進費 戦略的研究開発課題S-17
予定成果講演会のご案内
詳細内容とプログラム *本講演会は終了致しました.*
- 2021-02-16
- 環境研究総合推進費【SII-4】【S-17-3】 一般公開セミナー
「化学物質管理におけるPRTRデータの実践的活用に向けて」
詳細内容とプログラム
- 2020-03-05
- 公開講演会
「災害・事故での化学物質リスクにどう対処するか
-環境研究総合推進費S17課題:災害・事故に起因する化学物質リスクの評価・管理手法の体系的構築に関する研究の成果より-」
開催報告と講演スライド
戦略的研究開発課題S-17の目指すところ
このS-17研究プロジェクトでは、災害・事故に起因する化学物質リスクについて取り組みます。これまで、災害・事故に起因する化学物質リスクという課題への体系的な取り組みは行われたことがなかったように思います。したがって、S-17プロジェクトでは、災害・事故に起因する化学物質の発生の可能性から、その観測方法、予測の方法、リスク評価の方法、さらに管理手法を体系的に研究し、将来の災害への備えとなるべく情報基盤として集約した成果を挙げることを考えています。このために、異なる経験を持つ多くの研究機関にご参加いただいて研究プロジェクトをスタートしました。
東⽇本⼤震災では、⽕災・事故や有害物質の流出等に伴う市⺠の健康へのリスク懸念が⽣じました。そのときに私たちは化学物質リスクへの対処を試みましたが、実は自分たちにそのための十分な技術や経験の蓄積がないことに気づきました。改めて考えると、震災にとどまらず、災害・事故に伴う化学物質の流出や拡散は多く経験されてきました。わが国では危険物施設の⽕災及び流出事故は増加傾向にあり、環境汚染の視点からの対応が求められますが、その⽅法、体制は確⽴されていません。また、事故、災害などの緊急を要する対応においては、⾃治体などのリスク管理対応能⼒の強化が必要ですが、東⽇本⼤震災の経験や南海トラフ巨⼤地震などの懸念を契機に検討が進められているものの、この中での化学物質リスクに関する扱いはごく限定的です。
事故の防⽌を⽬指す安全⼯学的研究はこれまで広く進められ、⼯場における事故発⽣の抑⽌と作業従事者の物理化学的な安全確保が行われてきて、ここには経験の蓄積があります。⼀⽅、ひとたび化学物質が広く環境に拡散した場合は環境リスクとしての対処が必要になります。ところが、環境側からの化学物質リスクの取扱いは、定常的な環境状態を前提として体系が作られてきて、災害・事故で当然に経験される⾮定常的な、変動するリスク要因の下での監視、予測、評価についての検討がほとんどありません。このS-17研究プロジェクトでは、環境の視点から災害・事故に伴う環境保全上の⽀障に対処する⽅法について、監視、予測、評価及び対応⼒の諸課題に体系的に取り組むことにより、環境科学としての新たな領域を創出するとともに、科学的成果を広く活用可能とするための情報基盤の提示を目指します。これにより、南海トラフ巨⼤地震等の⼤規模災害に対する国⼟防災の中で、化学物質等が広く環境に出た場合の対応の体系的知⾒を確立し、災害・事故への対応⼒強化に貢献したいと考えます。