国立環境研究所は、最新の研究成果を広く一般の方々にお伝えするために、1998年6月から毎年、「公開シンポジウム」を開催しています。専門委員会にて、毎回異なるテーマを設定のうえで、テーマに沿った講演やポスター発表等を実施しています。
当初は東京のみでの開催でしたが、2003年からは東京と地方都市の2会場での開催となりました。2008年には先進国首脳会議(洞爺湖サミット)において環境問題が重要課題として取り上げられたことを踏まえ、東京と北海道において開催したり、2014年には奈良会場で「低炭素社会に向けて—温室効果ガス削減の取り組みと私たちの未来—」と題して、高校(スーパーサイエンスハイスクール)や関連NPO等に呼びかけを行うなど、若年層の来場者増加を図り、参加者の3割超が20代以下となるなど、様々な工夫を凝らして開催しています。また、2017年には、国環研の地方拠点として「琵琶湖分室」を新設したことを記念し、地方都市会場を滋賀に設定し、三日月大造滋賀県知事も参加されました。
2020年からは新型コロナウイルス感染症の影響を受け、開催方法をオンラインに変更するなど、各種対応を余儀なくされましたが、これまでは参加が困難であった全国各地の皆さんにご参加いただけるイベントとなりました。併せて、アーカイブ動画も提供するなど、時間的な都合によって参加できなかった方にも公開シンポジウムの様子を提供しております。
2024年度は、国環研が1974年3月15日に「国立公害研究所」として設立され、2024年3月で創立50周年を迎えたことから、国立環境研究所創立50周年の記念事業の一環として、6月12日(水)に「公開シンポジウム創立50周年特別講演」と「創立50周年記念式典」を併せて開催しました。
開会挨拶をする木本理事長
会場の様子
今回の公開シンポジウムでは、環境研究の重要性を広く社会に伝え、今後も研究所が果たすべき役割を確認する機会とするため、「国立環境研究所の軌跡と展望~公害、環境、そして・・・~」と題して、過去50年にわたる国立環境研究所の活動、そして未来に向けた環境問題への取り組みなど、国立環境研究所の役割と貢献について振り返りました。
講演および閉会挨拶の様子(上段 左:西岡 秀三氏 右:山本領域長、下段左:谷本副領域長 右:森口理事)
講演では、国環研の元研究担当理事であり、現在は「地球環境戦略研究機関(IGES)」の参与である西岡 秀三氏による講演「人と自然の調和を目指して~環境科学を切り拓いた50年~」をはじめ、国環研 環境リスク・健康領域 領域長の山本 裕史氏による「ヒトと生き物の安全・安心のために」、地球システム領域 副領域長の谷本 浩志氏による「地球環境研究のこれまでとこれから~新たな研究のあり方~」という3件の講演を行いました。
これらの様子はWeb会議アプリでオンライン配信され、リアルタイムで合計688名の方々にご参加いただきました。スタッフ一同、心より御礼申し上げます。まことにありがとうございました。
これまで同様、講演資料および同日の様子を収めた動画については、国環研ホームページに掲載しておりますので、是非ご覧いただければ幸いです。