研究分野
国立環境研究所では、環境省の政策体系との対応を踏まえた以下の8つの研究分野を設定し、環境問題の解決に資する源泉となるべき環境研究の基盤的調査・研究及び基盤整備等を着実に実施しています。
環境研究の基盤となる研究分野
- 地球システム分野地球表層を構成する大気・海洋・陸域における物理・化学プロセスと生物地球化学循環の解明、人間活動の影響を受けた地球環境変動とそのリスクの将来予測、その基礎となる現象や気候変動関連物質の観測とデータ利活用、これらに必要となる計測技術の開発やモデリング手法の開発等、地球表層システムの理解と地球環境保全のための調査研究
- 資源循環分野社会経済活動に伴って利用される物質を資源性・有害性の両面からとらえ、資源から廃棄物に至るライフサイクル全体を通じた物質のフロー、ストック、循環の実態把握・影響評価、将来予測環境負荷の低減や資源効率の向上に資する管理方策の提案等を行うための調査研究。物質の循環的利用、廃棄物の適正な処理・処分、環境の修復・再生のための技術・システムの開発と発展途上国等への適合化のための調査研究
- 環境リスク・健康分野化学物質等の環境中の有害因子に関し、将来世代を含むヒトの健康及び生態系への影響の解明、有害因子の同定、影響機序の解明、環境中動態の解明、曝露経路の解明、試験法・測定法・予測手法の開発、環境リスクの評価及び管理手法等の人の健康の確保と生態系の保全のための調査研究
- 地域環境保全分野都市からアジアまでの多様な空間スケールを対象として、大気・水・土壌等の環境の構成要素における物質の動態と影響の解明、基礎となる計測・分析手法の開発、負荷低減や環境修復・再生・保全技術の開発、地域環境の管理や将来計画のための評価手法開発等、地域環境の総合的な保全や課題解決のための調査・研究・技術開発
- 生物多様性分野多様な生物とそれを取り巻く環境からなる生態系の構造、機能、これらの関係の解明、人が生態系から受ける恩恵と人間活動が生物多様性・生態系に及ぼす影響・リスクの解明・評価等、様々な空間及び時間スケールにおける生物多様性の保全と持続可能な利用のための調査研究
- 社会システム分野社会・経済活動と様々な分野の環境問題との関わりを統合的に解明する理論と数理モデルや社会調査等の手法の開発 、環境と経済の調和した持続可能な社会のビジョンとその実現のためのシナリオ・ロードマップ、関係者との協働を交えた具体的な対策・施策の提案等、持続可能な社会システムへの転換のための調査研究
- 災害環境分野福島第一原子力発電所事故を含む東日本大震災等の災害から得た経験知を踏まえた、被災地での中長期的な環境影響の実態把握・評価、地域との協働を交えた被災後の環境回復・環境創生のための実践的研究、将来の大規模災害に備えた強靭で持続可能な地域社会構築のための研究等、災害環境学の確立を目指した調査研究
- 気候変動適応分野諸分野における過去から現在に至る観測値の変化等に基づく気候変動の影響の検出、気候変動の寄与度の推定、気候変動影響予測手法の開発・高度化、気候・社会経済シナリオに基づく影響予測の実施、適応策の戦略的推進のための施策の提案等、気候変動の適応推進に係る業務を科学的に支援するための調査研究