里地里山(以下「さとやま」)は、我が国の生物多様性の保全と多様な生態系サービスの持続可能な利用にとって重要な空間です。その保全・再生に関わる政策の立案・モニタリング・評価のためには、さとやまの特性を土地利用面から抽出して地図化できる指標が必要となります。
本データは、日本全国標準土地利用メッシュデータを用いて、土地利用のモザイク性の観点から農業ランドスケープにおける生物多様性を評価する「さとやま指数」を日本全国を対象に算出したものです。さとやま指数は、少なくとも一部に農地を含む単位空間内の土地利用多様度と非農業的土地利用の割合を反映させた指数であり、土地利用の不均一性が高いほど、また農地の占有率が低いほど高い値をとる指数です。標準2次および標準3次メッシュごとに指標値を集計した平均値データを公開しています。
本データは全国各地の農業ランドスケープのさとやま度の評価等に広く活用されることが期待されます。
図:日本全国のさとやま指数を示したマップ
農業-さとやま的土地利用以外の、原生的土地利用(高山域など)、
人工林、都市的土地利用は対象外となっている。吉岡ら(2013)を改変。
本データは、吉岡明良(東京大学)・角谷拓(国立環境研究所)・今井淳一(四国旅客鉄道株式会社)・鷲谷いづみ(東京大学)によって作成されました。作成にあたっては、文部科学省大学発グリーンイノベーション創出事業「グリーン・ネットワーク・オブ・エクセレンス(GRENE)」プロジェクト環境情報分野、および環境省環境研究総合推進費S-9 「アジア規模での生物多様性観測・評価・予測に関する総合的研究」から資金援助を受けました。
なお、本データに関しては、下記の論文で発表されています。より詳細情報については下記の論文を参照してください。
<文献1>
【日本語表記】
吉岡明良, 角谷 拓, 今井淳一, 鷲谷いづみ (2013) 生物多様性評価に向けた土地利用類型と「さとやま指数」でみた日本の国土.保全生態学研究 18:141-156
【英語表記】
Yoshioka, A., Kadoya, T., Imai, J., and Washitani. I. (2013) Overview of
landuse pattern of Japanese Archipelago with biodiverisity-conscious landuse
classification and Satoyama Index. Japanese Journal of Conservation Ecology
18:141-156
<文献2>
Kadoya T., and Washitani I. (2011) The Satoyama Index: a biodiversity indicator for agricultural landscapes. Agriculture, Ecosystems and Environment, 140: 20-26.
※データを使用して発表を行う際は上記の論文の引用をお願いいたします。
関連資料
「日本全国さとやま指数メッシュデータ」の2次・3次メッシュデータを、ウェブGISにてご覧いただけます。
(国立環境研究所 環境展望台「環境GIS:環境指標・統計」のサイト内)
GISマップの閲覧はこちら
「GISマップ:さとやま指数」に関する説明資料(PDF:2.5MB)
日本全国さとやま指標メッシュデータは無償で提供しております。データをご利用いただくには、利用規約に同意していただく必要があります。下記の利用規約をお読みいただき、同意の上で利用申請をしてください。
<利用規約>
日本全国さとやま指標メッシュデータ利用規約 (PDF:144KB)
申請先Emailアドレスに件名「SIデータ利用申請」として以下の情報をお送りください。同アドレスよりデータダウンロードサイトをご案内いたします。
原則として2週間以内にデータ提供させていただいておりますが、時間を要する場合がございますのであらかじめご了承ください。
<申請先>
国立環境研究所 生物多様性領域 データベース担当
E-mail: biodiv.data@nies.go.jp
<申請項目> ※共同利用者がいる場合は、別途申請してください。
2014/01/14(ver. 1)の提供を開始しました。(2014.1.27)
GISマップへのリンクを掲載しました。(2014.4.4)
ご不明な点がございましたら下記までご連絡をお願いします。
国立環境研究所 生物多様性領域 角谷 拓
E-mail: biodiv.data@nies.go.jp
(担当:生物多様性評価・予測研究室 角谷拓)
Last updated Apr. 1, 2021