土地利用の変化は、生物多様性の減少を引き起こす主要な駆動要因であり、広域スケールで生物多様性の現状を評価し将来の変化を予測するためには、生物多様性への影響という観点から適切な区分および解像度をもった土地利用情報の整備が欠かせません。
本データは、1988年から1998年にかけて行われた第4,5回環境省自然環境保全基礎調査の植生調査データの集約と標準化を行い、全国スケールで利用可能な土地利用データとして公開したものです。集計は世界測地系移行後の2次メッシュ(約10km四方)、3次メッシュ(約1km四方)及び5倍メッシュ(約5km四方)で行っています。
集約及び標準化にあたっては、植生群落の情報とともに、植生自然度として記録された情報を加味することで、二次林や二次草原など、人間活動との関わりで維持されてきた生態系も土地利用区分の中に組み込んでいます。そのため、本データは広域的な生物多様性の評価や予測に広く活用されることが期待されます(下図)。
本データは、環境省環境研究総合推進費S-9「 アジア規模での生物多様性観測・評価・予測に関する総合的研究」の基盤情報整備ワーキンググループメンバーと、小川みふゆ・竹中明夫・松崎紗代子(国立環境研究所)によって作成されました。
作成にあたっては、環境省環境研究総合推進費(課題番号S-9及び D-1008)、国立環境研究所(生物多様性研究プログラム及び生物・生態系環境研究センター基盤整備)の援助を受けました。なお、本データに関しては、下記の論文で発表されています。
<文献1>
【日本語表記】
小川みふゆ,竹中明夫,角谷拓,石濱史子,山野博哉,赤坂宗光(2013)植生図情報を用いた全国スケールでの土地利用図の作成.保全生態学研究18:69-76.
【英語表記】
Ogawa, M., Takenaka, A., Kadoya, T., Ishihama, F., Yamano, H., and Akasaka, M. (2013) Land-use classification and mapping at a whole scale of Japan based on a national vegetation map. Japanese Journal of Conservation Ecology 18:69-76.
<文献2>
Akasaka, M., Takenaka, A., Ishihama, F., Kadoya, T., Ogawa, M., Osawa, T., Yamakita, T., Tagane, S., Ishii, R., Nagai, S., Taki, H., Akasaka, T., Oguma, H., Suzuki, T., and Yamano, H. (2014) Development of a national land-use/cover dataset to estimate biodiversity and ecosystem services. In: Nakano, S., Yahara, T., and Nakashizuka, T. (eds.) The biodiversity observation network in the Asia-Pacific region: Integrative observations and assessments of Asian biodiversity. Springer.
※データを使用して発表を行う際は上記の論文の引用をお願いいたします。
関連資料
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<申請先>
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本データを用いて、土地利用のモザイク性の観点から農業ランドスケープにおける生物多様性を評価する「さとやま指数」を日本全国を対象に算出したものです。
くわしくは日本全国さとやま指数メッシュデータのページをご覧ください。
2024.4.1 『GISマップ:最優占土地利用』は2024年3月29日をもって掲載を終了いたしました。
2015.11.6 メタデータ情報を更新したデータ(ver.1.1)の提供を開始しました。
2015.11.6 データの作成方法・付表の表記修正を行いました(ver.1.1)。
2014.1.27 活用事例「日本全国さとやま指数メッシュデータ」の紹介を掲載しました。
2013.12.20 『GISマップ:最優占土地利用』として、2次・3次メッシュデータをウェブGISにてご覧いただけるようになりました。
2013.8.6 第4,5回自然環境保全基礎調査に基づくデータ(ver. 1)の提供を開始しました。
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(担当: 生物多様性領域 山野博哉)
Last updated Apr. 1, 2024