ツヤハダゴマダラカミキリ / 国立環境研究所 侵入生物DB
(独) 国立環境研究所 侵入生物データベース Japanese | English
  1. 侵入生物データベース >
  2. 日本の外来生物 >
  3. 昆虫類 >
  4. ツヤハダゴマダラカミキリ

ツヤハダゴマダラカミキリ

基本・侵入情報 参考資料リスト
基本情報
和名 ツヤハダゴマダラカミキリ (写真なし)
分類群 コウチュウ目 ハムシ上科 カミキリムシ科
(Cerambycidae, Chrysomeloidea, Coleoptera)
学名 Anoplophora glabripennis
英名等 Asian long-horn beetle
自然分布 大陸中国(香港含む)~朝鮮半島
形態 成虫の体長20~35mmのカミキリムシ.体幅は7~12mm.11節の触角を有し,触角は雄で体長の約1.5倍,雌で約1.3倍.触角の節に明瞭な白黒縞を持つ.外皮は光沢のある黒色で,上翅に不規則な白色~黄色の斑紋を有する.
卵は乳白色で長さ5.5~7.0mmの長楕円形で両端がやや湾曲.幼虫は体長50mm程度で,孵化直後乳白色で摂食すると淡紅色,頭部は褐色に.老熟幼虫は黄色を帯びる.蛹は長さ30~37mm,幅11mmほどで乳白色~白色.
在来の同属種ゴマダラカミキリに類似するが,前胸背前縁,後縁付近にあるくびれは弱く背面中央は隆起せず,背面の2紋を欠き,上翅の肩部に数個の平圧された小さな顆粒状点刻を持つのみで,基部全体に顆粒状点刻を有しないことなどで区別できる.
生息環境 植林地,果樹園,街路樹など.様々な樹木に寄生.樹冠など安全な場所に留まる.
繁殖生態 成虫は5~10月に出現,雌は寄主植物に穴を開けてその窪みに産卵.孵化10~15日後に,幼虫は材に穿孔し,秋~冬に材を食べる.1齢~3齢初期の幼虫は師管部を,3齢後期~4齢は辺材部を食べる.心材部で越冬.6月初旬に蛹化.羽化すると6~18mmの脱出孔を開けて脱出.
生態的特性 雌は複数の雄と交尾し,一生産卵を続ける.雄は雌を守る習性がある.寿命は雄4~50日,雌は14~66日.
食性:様々な樹木の材を食べる.
侵入情報
国内移入分布 2002年に神奈川県横浜市中区のアキニレ街路樹で出現したが2004年9月までに防除された.このほかには,散発的な記録が3例あるのみ(1860年[地点不明]および1911年[石垣島]と1912年[熊本]). 2021年に,兵庫県神戸市六甲アイランドで定着が確認され,2022年2月までに,宮城県,福島県,茨城県,埼玉県,富山県,愛知県,兵庫県,山口県で発生が確認されている. 国内分布図
※必ずしも色が塗られた地域全体に分布するわけではありません
詳細マップはこちら
移入元 不明
侵入経路 木材梱包剤に付着していた可能性が指摘されている.
侵入年代 2002年,横浜に一時的に出現.
影響 さまざまな樹種を食害.本種の原産国である中国では植林した木の40%が被害を受けている.侵入先のニューヨーク,シカゴ,オーストラリアでも被害.
影響を受ける在来生物:カエデ属,トチノキ属,カバノキ属,ハコヤナギ属(ポプラ),ヤナギ属,ハンノキ属,ネムノキ属,ニレ属,グミ属,センダン属,クワ属,スズカケノキ属(プラタナス),リンゴ属,サクラ属,ナシ属,ナナカマド属など多数の樹種
法的扱い カミキリムシ科は検疫有害動物(植物防疫法)
防除方法 情報整理中
問題点等 情報整理中
海外移入分布 オーストリア,フランス,ドイツ,イタリア,ポーランド,スロバキア,米国(イリノイ,ニュージャージー,ニューヨークの各州)
備考
世界の侵略的外来種ワースト100

令和6(2024)年度 環境省「特定外来生物の市区町村別侵入状況の把握のためのアンケート」調査の結果は,市区町村単位の分布地図※及び一覧(下記URL)にて参照されたい. https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/moe2024_0927.xlsx
※都道府県単位の分布地図(本ページ掲載に)は,学術誌や記事,通報などをもとに,標本や画像データを確認して作成されたものである. 市区町村単位の分布地図(詳細マップ)は,自治体へのアンケートをもとに作成されたものである. 従って,両者の分布情報が一致しない部分がある.
基本・侵入情報 参考資料リスト