コクチバス / 国立環境研究所 侵入生物DB
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コクチバス

基本・侵入情報 参考資料リスト
基本情報
和名 コクチバス, ブラックバス

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コクチバス
分類群 硬骨魚綱 スズキ目 サンフィッシュ科
(Centrarchidae, Perciformes, Actinopterygii)
学名 Micropterus dolomieu
英名等 Smallmouth bass
自然分布 北米
形態 オオクチバスに類似.識別点は,1)背鰭最長棘の長さと最短棘の長さの比が2倍以下,2)成魚でも上顎の後端が眼の後縁よりも後にならない,3)体色は黄褐色で十数本の背~腹方向の暗色横帯,4)側線上部鱗数11~13でオオクチバスの8より多い.
生息環境 原産地ではオオクチバスよりも寒冷な水域に分布する傾向がある.
繁殖生態 繁殖期:5~7月.原産地では春から初夏にかけて水温13~20℃であれば産卵する.
雄が作ったすり鉢状の巣で産卵が行われる.雌の産卵後,雄が卵および仔魚を保護し,体長10mm前後になった仔魚は親魚の保護を離れる.産仔数:コクチバスの卵は沈性付着卵であり,その直径は1.2~2.5mmである.北米での報告によると,雌一匹当たりの抱卵数は5,000~14,000個であり,体サイズの大きな雌ほど多くの卵を産む.
生態的特性 オオクチバスよりも低水温や流水域に侵入できる.
食性:オオクチバスとほぼ同様で主に魚類と甲殻類
侵入情報
国内移入分布 福島,栃木,長野,滋賀,奈良 国内分布図
※必ずしも色が塗られた地域全体に分布するわけではありません
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移入元 北米
侵入経路 遊漁のための密放流と考えられている.
侵入年代 本種の国内での定着は,1990年頃から. 1925年に赤星鉄馬氏によりオオクチバスとともに持ち込まれ,芦ノ湖に放流されたが,これは定着しなかったと考えられている.
影響 捕食や競争を通じ,様々な在来生物に直接的または間接的な影響を及ぼす.オオクチバスよりも河川上流部で定着する可能性あり.
影響を受ける在来生物:淡水魚,淡水無脊椎動物.漁業対象種.
法的扱い 特定外来生物(外来生物法).多数の都道府県で,移殖放流が(内水面)漁業調整規則により禁止されている.移入規制種(佐賀県 環境の保全と創造に関する条例).
防除方法 ヤス,水中銃,延縄,刺し網などによる駆除.人工産卵床を設置して親魚を誘引して駆除を行うことも検討されている.
問題点等 バス釣り人口は300万とも言われバス釣りに依存した産業が形成されている.社会的側面を併せ持つ.
海外移入分布 スロバキア,ベルギー,ドイツ,タンザニア,南ア,カナダ,メキシコ,ベリーズ,ハワイ
備考
日本の侵略的外来種ワースト100

令和6(2024)年度 環境省「特定外来生物の市区町村別侵入状況の把握のためのアンケート」調査の結果は,市区町村単位の分布地図※及び一覧(下記URL)にて参照されたい. https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/moe2024_0927.xlsx
※都道府県単位の分布地図(本ページ掲載に)は,学術誌や記事,通報などをもとに,標本や画像データを確認して作成されたものである. 市区町村単位の分布地図(詳細マップ)は,自治体へのアンケートをもとに作成されたものである. 従って,両者の分布情報が一致しない部分がある.
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