オオサンショウウオ属(在来種を除く) / 国立環境研究所 侵入生物DB
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オオサンショウウオ属(在来種を除く)

基本・侵入情報 参考資料リスト
基本情報
和名 オオサンショウウオ属(在来種を除く)

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チュウゴクオオサンショウウオ
分類群 両生綱 有尾目 オオサンショウウオ科
(Cryptobranchidae, Caudata, Amphibia)
学名 Andrias spp.
英名等 Chinese Giant Salamander
自然分布 大陸中国.青海省,山西省南部,四川省南部,雲南省,広西省,広東省,江西省,安徽省の山岳の河川(標高100-1500m).
形態 現在チュウゴクオオサンショウウオ,Andrias sligoi,A. jiangxiensis,A. cheniの4種が含まれる.在来オオサンショウウオと比較して外来種は主に頭部・下顎のイボが小さい傾向にある.チュウゴクオオサンショウウオは小さなイボの大半が対となって規則的に並ぶ.A. sligoi・A. jiangxiensis・A. cheniはイボが少なく、比較的滑らかである.一方で,交雑種では識別が難しい.
生息環境 山中の河川,内陸の湿地
繁殖生態 多くは9月前後に繁殖することが知られる.
生態的特性 主に魚,水生昆虫,カエル,甲殻類を捕食する.
侵入情報
国内移入分布 岐阜県木曽川水系,滋賀県安曇川水系,京都府鴨川水系を含む淀川水系および上桂川(花脊,広河原),奈良県・三重県阿清水川,大阪府淀川水系,岡山県旭川水系・吉井川水系,広島県八幡川水系. 国内分布図
※必ずしも色が塗られた地域全体に分布するわけではありません
詳細マップはこちら
移入元 不明.
侵入経路 1972年に食用に輸入された個体に由来する可能性が指摘されているが,事実は不明.
侵入年代 1972年の輸入に由来する可能性が指摘されているが,事実は不明.
影響 在来のオオサンショウウオ個体群に対する浸透性交雑による遺伝的撹乱が著しく進行している.鴨川のオオサンショウウオは,大半が交雑個体に占められている.
影響を受ける在来生物:オオサンショウウオ
法的扱い 外来生物法で特定外来生物となっている.また,種の保存法で国際希少野生動植物種(交雑種除く)となっている.また,本属はCITES(付属書I)と中国の法律(中華人民共和国野生水棲動物保護規制)で保護対象となっている.
防除方法 在来種の生息河川を中心に外来種の侵入状況調査を行い,成体・幼生・卵塊等を除去する.特定の研究機関においてDNA解析を行っている.外来種と在来種の交雑を防ぐ上では,巣穴を守るオス(ヌシと呼ばれる)が外来種または交雑種の場合に優先的に除去するのが良いとされる.巣穴を塞ぐ等の手段も効果がある.いずれにせよ,在来種の保全には一切の支障がないよう,文化財保護法に基づく特別天然記念物である在来種の保全活動に取り組む地方公共団体や研究機関,その他外来種の防除事業に取り組む都道府県他,防除の確認・認定を受けている団体の作業方針に従って欲しい.
問題点等 ・在来種の保全のためには、外来種と交雑種を除去するのみならず、在来種の生息域の確実な確保等も同時に取り組まなければならない.
・在来種と外来種・交雑種の判別方法は
  • 環境省 特定外来生物の見分け方(同定マニュアル)https://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/manual.html
  • にて紹介.
    海外移入分布 不明.
    備考
    令和6(2024)年度 環境省「特定外来生物の市区町村別侵入状況の把握のためのアンケート」調査の結果は,市区町村単位の分布地図※及び一覧(下記URL)にて参照されたい. https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/moe2024_0927.xlsx
    ※都道府県単位の分布地図(本ページ掲載に)は,学術誌や記事,通報などをもとに,標本や画像データを確認して作成されたものである. 市区町村単位の分布地図(詳細マップ)は,自治体へのアンケートをもとに作成されたものである. 従って,両者の分布情報が一致しない部分がある.
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