基本・侵入情報 | 参考資料リスト |
侵入情報 | ||
国内移入分布 | 小笠原諸島(父島,母島),沖縄島(沖縄諸島) |
※必ずしも色が塗られた地域全体に分布するわけではありません 詳細マップはこちら |
移入元 | ルイジアナ州~フロリダ北部.フロリダ半島中部~南部ではない. | |
侵入経路 | ペットとして持ち込まれたものの逸走・遺棄,米軍の物資輸送への随伴によると考えられる.DNAの変異から,ルイジアナ~フロリダ北部由来と考えられる(フロリダ中部~南部ではない). | |
侵入年代 | 小笠原諸島父島では1960年代半ば,母島では1980年代初頭とされる.沖縄島では1980年代の終わり頃に持ち込まれたらしい. | |
影響 | 在来昆虫の捕食,在来トカゲとの競合. 影響を受ける在来生物:食物となる樹上性かつ昼行性の昆虫.オガサワラシジミはおそらくグリーンアノールによる捕食のために絶滅かそれに近い状態となった.オガサワライトトンボ,オガサワラトンボ,シマアカネ等の固有のトンボ類も父島と母島ではほぼ絶滅し,グリーンアノールの侵入していない属島に残るのみとなった.オガサワラゼミなどの大型の昆虫も捕食され,種によっては著しく数を減らしている.在来のオガサワラトカゲは食物を巡る競合にさらされ,かつ幼体がグリーンアノールに捕食されている.ただし,アノールの密度が高い地域においても絶滅には至っていない. | |
法的扱い | 外来生物法で特定外来生物に指定された.アノール属 Anolis およびノロプス属 Norops は,全種が特定外来生物または未判定外来生物である. | |
防除方法 | 樹上に広く分散して生息するため,効率よく駆除することは困難.釣りやヌーズ(竿の先に取り付けたテグスで個体を縛って捕獲する方法)を組み合わせて見つけ捕りをくり返すことが現実的.根絶のためには,アノールが越えられないフェンス等で生息域を分断し,1区画ずつ根絶させていく方法が考えられる.たたし指下薄板を持ち登はん能力が高いため,特殊なフェンスを用いる必要がある.捕獲に際して粘着トラップが効率的と考えられるが,昆虫や鳥類,在来爬虫類などを錯誤捕獲する可能性が高いため,慎重に適用する必要がある.また,本種は夜間に物陰に潜んで休息するため,これを利用したネストトラップ(例えば切り揃えた竹筒を束ねて樹幹に設置する等)は有望である. | |
問題点等 | 小笠原諸島では,近年になって本種がきわめて侵略的な外来種であると認識され,多くの昆虫を絶滅から救うことが課題になっている.一方,国外では本種はハワイ諸島のハワイ島,オアフ島と北マリアナ諸島のグアム島,サイパン島,カロリン諸島のヤップ島などに導入され定着している.しかし,いずれの島でも小笠原諸島のように高密度にはなっておらず,侵略的外来種とは見なされていない.本種の対策については先行事例がなく,小笠原においても,属島への分布拡大防止と父島,母島における防除の両方を進める必要がある.保全生態学的な観点から,本種に関する基礎的,応用的な調査研究の必要性が高まっている. | |
海外移入分布 | ミクロネシア,ハワイ,ヤップ,パラオなど |
備考 |
日本の侵略的外来種ワースト100
小笠原諸島では,近年になって本種がきわめて侵略的な外来種であると認識され,多くの昆虫を絶滅から救うことが課題になっている.一方,国外では本種はハワイ諸島のハワイ島,オアフ島と北マリアナ諸島のグアム島,サイパン島,カロリン諸島のヤップ島などに導入され定着している.しかし,いずれの島でも小笠原諸島のように高密度にはなっておらず,侵略的外来種とは見なされていない.本種の対策については先行事例がなく,小笠原においても,属島への分布拡大防止と父島,母島における防除の両方を進める必要がある.保全生態学的な観点から,本種に関する基礎的,応用的な調査研究の必要性が高まっている. 令和6(2024)年度 環境省「特定外来生物の市区町村別侵入状況の把握のためのアンケート」調査の結果は,市区町村単位の分布地図※及び一覧(下記URL)にて参照されたい. https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/moe2024_0927.xlsx ※都道府県単位の分布地図(本ページ掲載に)は,学術誌や記事,通報などをもとに,標本や画像データを確認して作成されたものである. 市区町村単位の分布地図(詳細マップ)は,自治体へのアンケートをもとに作成されたものである. 従って,両者の分布情報が一致しない部分がある. |
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