アライグマ / 国立環境研究所 侵入生物DB
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アライグマ

基本・侵入情報 参考資料リスト
基本情報
和名 アライグマ

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アライグマ
分類群 哺乳綱 食肉目(ネコ目) アライグマ科
(Procyonidae, Carnivora, Mammalia)
学名 Procyon lotor
英名等 Common Raccoon
自然分布 北米~中米(カナダ南部~パナマ)
形態 頭胴長40~60cm,尾長20~40cm,体重4~10kg稀に20kg,雄は雌よりやや大型,毛色は灰色から明るい茶褐色で尾に黒い輪が4~10本ある.目を覆うように黒い帯がある.蹠行性で臼歯が上下とも2対ある.蹠行性(爪先からかかとまで地面につける)ため,足跡が他の哺乳類と異なる.
生息環境 都市部から森林・湿地帯までの水辺に生息.巣は木のうろや岩穴,人家や畜舎.
温度選好性:冷帯湿澗気候,西岸海洋性気候,温暖温澗気候,地中海性気候,ステップ気候,サバナ気候,熱帯モンスーン気候
繁殖生態 繁殖期:1月~3月に交尾し,4~6月に出産.
雄は複数の雌と交尾.産仔数:3~6.雌が子育てし,北海道では7月頃から幼獣が巣を出て活動しはじめる.
生態的特性 夜行性.木登り・泳ぎも得意.普段は単独性で,繁殖期のみペアを形成.なわばりは持たない.休眠により越冬.野外での寿命は5年程度と考えられている.
食性:雑食性で小哺乳類・魚類・鳥類・両生類・爬虫類・昆虫類・野菜・果実・穀類等,夏は動物質を秋は植物質を多く摂取する.分散能力:行動圏:806~1,139ha(海外のデータ)
侵入情報
国内移入分布 ほぼ全国 国内分布図
※必ずしも色が塗られた地域全体に分布するわけではありません
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移入元 北米
侵入経路 動物飼育施設から逸走,ペットの逸出・放逐
侵入年代 国内で最初の野生化は,1962年に愛知県犬山市の動物園から集団逸出した12頭に由来するされる.1970年代後半以降テレビアニメの影響で飼育ブームとなり,日本各地で飼育個体の放逐・逸出により野生化.また,有害鳥獣として捕獲された個体の「奥山放獣」により分布拡大した可能性も指摘されている.
影響 在来中型哺乳類との競合,鳥類への営巣妨害・営巣放棄,野生生物の捕食,食性や営巣場所の競合,農業被害(特にトウモロコシ被害が深刻.ナス・トマト・エンドウなどの野菜類,メロン・スイカ・イチゴなどの果実類,コイなどの養殖魚,家畜飼料,ビニールハウスの破壊など).文化財を含む建造物への侵入・損壊,人獣共通感染症を含む病原体の媒介(狂犬病,ジステンパー,アライグマ糞線虫 Stronglyloides procyonis,アライグマ蛔虫 Baylisascaris procyonis,インフルエンザ,日本脳炎,レプトスピラ,紅斑熱群リケッチア,サルモネラ など)
影響を受ける在来生物:タヌキ・キツネなどの中型哺乳類(競合),サギ類などの鳥類(営巣妨害),爬虫両生類,昆虫,甲殻類(捕食)
法的扱い 特定外来生物(外来生物法).狩猟鳥獣(鳥獣保護法).移入規制種(佐賀県での放逐禁止,佐賀県 環境の保全と創造に関する条例)
防除方法 箱ワナ・エッグトラップによる捕獲.捕獲時期・対象個体の齢などによって実質的な効果が異なり,十分な事前調査と計画的な対策が必要.
問題点等 計画的な対策により低密度化・影響低減が見られる事例がある一方,農業被害防止を主目的とした対症療法的なアライグマ対策が行われ,あまり効果があがっていないケースもある.
海外移入分布 ドイツ,フランス,デンマーク,オランダ,ベルギー,ルクセンブルグ,スイス,オーストリア,ハンガリー,ポーランド,チェコ,ベラルーシ,ロシア,アゼルバイジャン,ウズベキスタン,バハマ諸島 等.
備考
日本の侵略的外来種ワースト100

令和6(2024)年度 環境省「特定外来生物の市区町村別侵入状況の把握のためのアンケート」調査の結果は,市区町村単位の分布地図※及び一覧(下記URL)にて参照されたい. https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/moe2024_0927.xlsx
※都道府県単位の分布地図(本ページ掲載に)は,学術誌や記事,通報などをもとに,標本や画像データを確認して作成されたものである. 市区町村単位の分布地図(詳細マップ)は,自治体へのアンケートをもとに作成されたものである. 従って,両者の分布情報が一致しない部分がある.
基本・侵入情報 参考資料リスト