マスクラット / 国立環境研究所 侵入生物DB
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マスクラット

基本・侵入情報 参考資料リスト
基本情報
和名 マスクラット

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マスクラット
分類群 哺乳綱 齧歯目(ネズミ目) ネズミ科
(Muridae, Rodentia, Mammalia)
学名 Ondatra zibethicus
英名等 muskrat
自然分布 北米
形態 茶・黒褐・黒が一般的な毛色で,毛は短く密でやわらかい.後ろ足には指のふちにそって短い毛が密生する.縦に平たい尾はほとんど毛がない.肛門腺の分泌物に由来するジャコウのにおいがあり,雄の腺は大きく陰茎の前側に開口する.頭胴長約320mm,尾長は頭胴長の約2/3,後足長約70mm,乳頭式1+0+2=6,頭骨全長は50mm以上で,成体は歯根をもち,口蓋後端部はヤチネズミ型で中央の突起は短い.上顎第3臼歯は単純型.
生息環境 河川や湿地,沼地など.
温度選好性:北アメリカ原産のため寒さには強い.
繁殖生態 繁殖期:通年(3,11月にピーク).年に5,6回出産.妊娠期間25-30日.
産仔数:1-11.高緯度ほど少ない.
生態的特性 回廊をもった巣を,水の中の草むらや岸の穴に作る.巣の開口部は水面下にあり,回廊には食堂・便所・換気口がある.ジャコウのにおいの分泌物は尿に混じり,通り道に沿って付けられる.
食性:ヨシの茎や地下茎,ガマ,ヒツジグサなどの水生植物のほかザリガニや小魚なども食べる.
侵入情報
国内移入分布 東京都葛飾区水元公園,千葉県市川市行徳鳥獣保護区,埼玉県東部に生息. 国内分布図
※必ずしも色が塗られた地域全体に分布するわけではありません
詳細マップはこちら
移入元 北米
侵入経路 航空機パイロットの毛皮用に養殖,飼育していたが,戦後野外に放たれ,江戸川を中心に野生化,増殖した.
侵入年代 戦前に輸入.野生化は1947年に確認.
影響 千葉県市川市では,かつてハス(レンコン)への食害があった.ヨーロッパでは,摂餌による水生植物へのダメージ,営巣による堤防・ダム・鉄道築堤・灌漑施設の破壊.
影響を受ける在来生物:(海外)水生植物
法的扱い 外来生物法で特定外来生物に指定された.
防除方法 情報整理中
問題点等 情報整理中
海外移入分布 中-北欧,ウクライナ,ロシア,モンゴル,中国,朝鮮半島北東部.
備考
(海外)穴掘りによる灌漑施設へのダメージ,農業被害.

令和6(2024)年度 環境省「特定外来生物の市区町村別侵入状況の把握のためのアンケート」調査の結果は,市区町村単位の分布地図※及び一覧(下記URL)にて参照されたい. https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/moe2024_0927.xlsx
※都道府県単位の分布地図(本ページ掲載に)は,学術誌や記事,通報などをもとに,標本や画像データを確認して作成されたものである. 市区町村単位の分布地図(詳細マップ)は,自治体へのアンケートをもとに作成されたものである. 従って,両者の分布情報が一致しない部分がある.
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