クリハラリス / 国立環境研究所 侵入生物DB
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クリハラリス

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基本情報
和名 クリハラリス, タイワンリス

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クリハラリス
分類群 哺乳綱 齧歯目(ネズミ目) リス科
(Sciuridae, Rodentia, Mammalia)
学名 Callosciurus erythraeus subspp.
英名等 Formosan squirrel
自然分布 台湾,大陸中国南部~インドシナ・マレー半島~インド北東部.
形態 雄成獣で頭胴長20~26cm,尾長17~20cm,体重300~440g前後になるリス.毛の色彩には地理的変異があるが,国内に定着している個体群では,背面は黒と黄土色毛が混じって生え,腹面は栗色.染色体数 2n=40
生息環境 主に常緑広葉樹林.市街地・造林地でも生息可.
温度選好性:本来の分布域が広く,さまざまな気候や植生に適応
繁殖生態 繁殖期:通年繁殖可能.最大で年3回.
1頭の雌が7~8頭の雄と交尾する.産仔数:1~3
生態的特性 樹上に営巣.昼行性で,樹上で活動.よく鳴くことが特徴.
食性:樹木の種子,果実,花,葉等,アリ,セミ,カタツムリ,野鳥の卵など動物質も少量食べる.冬季には樹皮を剥いで樹液を舐める.
侵入情報
国内移入分布 神奈川県(南東部),静岡県(伊豆半島東部,浜松城公園),岐阜県(金華山),大阪府(大阪城公園),兵庫県(姫路城公園),和歌山県(和歌山城公園,友ヶ島),長崎県(壱岐,福江島),大分県(高島),熊本県(宇土半島),伊豆大島,東京都(あきる野市),埼玉県(入間市) 国内分布図
※必ずしも色が塗られた地域全体に分布するわけではありません
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移入元 伊豆大島には台湾から.江ノ島・友ヶ島には伊豆大島から.大阪城公園には大陸中国から.DNA解析から,伊豆半島・福江島のものも台湾由来のものが直接・間接的に導入されたと推定されている.一方,浜松のものは大陸中国由来(近縁種との雑種の可能性あり)と推定されている.
侵入経路 故意の放逐または動物園から逸出
侵入年代 最初の逸出記録は,1935年の伊豆大島.他の地域には,江ノ島 1951年,和歌山県友ヶ島 1954年,岐阜県金華山 1955年,大分県高島 1959年ごろ,大阪城・姫路城・和歌山城・浜松城の各公園 1970年代,伊豆半島・五島列島福江島・壱岐 1980年代.最近では,熊本県宇土半島で2008年に,東京都あきる野市・埼玉県入間市で2011年に,それぞれ確認されている.
影響 捕食,樹皮剥離による樹木の枯死,種子を未熟の内から樹上で捕食してしまう等.人家に対する破壊・侵入.電線噛害等生活被害,樹皮剥離なども引き起こす.また,寄生虫の持ち込みも指摘されている.農業被害.森林地域へ分布拡大すると,在来リス科(ニホンリスなど)と競合する可能性あり.
影響を受ける在来生物:リス科,野鳥,昆虫類,スダジイ,ヤブツバキなど主要な植生,農作物など.
法的扱い 特定外来生物(外来生物法).狩猟獣(鳥獣保護法).
防除方法 箱ワナなどによる捕獲.神奈川県などで捕獲事業が行われている.
問題点等 情報整理中
海外移入分布 アルゼンチン,フランス,ベルギー,イタリア,オランダ
備考
本種を除くハイガシラリス属 Callosciurus 全種は,未判定外来生物.

令和6(2024)年度 環境省「特定外来生物の市区町村別侵入状況の把握のためのアンケート」調査の結果は,市区町村単位の分布地図※及び一覧(下記URL)にて参照されたい. https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/moe2024_0927.xlsx
※都道府県単位の分布地図(本ページ掲載に)は,学術誌や記事,通報などをもとに,標本や画像データを確認して作成されたものである. 市区町村単位の分布地図(詳細マップ)は,自治体へのアンケートをもとに作成されたものである. 従って,両者の分布情報が一致しない部分がある.
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