タイワンザル / 国立環境研究所 侵入生物DB
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タイワンザル

基本・侵入情報 参考資料リスト
基本情報
和名 タイワンザル

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タイワンザル
分類群 哺乳綱 霊長目(サル目) オナガザル科
(Cercopithecidae, Primates, Mammalia)
学名 Macaca cyclopis
英名等 Taiwan macaque, Formosan rock macaque
自然分布 台湾
形態 ニホンザルと同程度のサイズのサル.雄40~55cm,雌35~45cm,体重は6~10kg,尾長はニホンザルよりはるかに長く,頭胴長の7割ほど(25~35cm).毛色は,背面は灰色~褐色で腹面は白っぽい.四肢の先は黒い.顔面と臀部は無毛で赤い.
生息環境 平地から亜高山帯までの樹林に生息するが,暖温帯以下に多い.
繁殖生態 繁殖期:11月~1月に交尾.4~6月に出産.
雌は4~5歳,雄は5~6歳で性成熟.雌は2年に一回,9歳ごろまで繁殖.産仔数:1
生態的特性 1頭(単雄群)または数頭(複雄群)の雄成体,および雌成体とその子供達からなる数頭から数十頭の群で生活し,昼行性で樹上および地上で活動する.
食性:雑食性で果実,種子,木の葉,草の葉,昆虫等
侵入情報
国内移入分布 伊豆大島(伊豆諸島),大根島(静岡県南伊豆町),和歌山県大池地域(2017年根絶確認). 青森県下北半島にも定着したが,全頭捕獲された. 国内分布図
※必ずしも色が塗られた地域全体に分布するわけではありません
詳細マップはこちら
移入元 台湾
侵入経路 動物園・観光施設等から逸出(下北半島,伊豆大島,和歌山),観光資源化目的での故意の放逐(大根島)
侵入年代 最も早期に野生化したのは伊豆大島(1940年頃).和歌山では1954年頃に閉鎖した動物園の飼育個体が野生化.南伊豆では観光客誘致のため1964年に導入.下北半島のものは1952年ごろに輸入されて十和田で飼育され,1971年ごろから下北で半野外状態で放し飼いにされていた.
影響 ニホンザルとの交雑,農業被害
影響を受ける在来生物:ニホンザル,農作物(和歌山ではミカン,タケノコなど.伊豆大島ではサツマイモ,トウモロコシ,アシタバ,ツバキなど)
法的扱い 外来生物法で特定外来生物に指定された.
防除方法 和歌山では,避妊手術を施し発信機を装着した個体の追跡による行動圏の特定,大型オリによる捕獲が行われ,効果があがっている.
問題点等 情報整理中
海外移入分布 特になし
備考
日本の侵略的外来種ワースト100 指定種.
タイワンザル・カニクイザル・アカゲザル・ニホンザルを除くMacaca属は未判定外来生物.

タイワンザルとニホンザルが交雑することにより生じた生物は特定外来生物
和歌山では2002年からの計画的な対策により,2009年時点で残り20頭程度以下となっており、2017年根絶確認された.大根島では特に対策は取られていないが,植生の乏しい5ha程度の島のためか自然に数を減らし,残り数頭となっている.伊豆大島では依然として多数生息している.

令和6(2024)年度 環境省「特定外来生物の市区町村別侵入状況の把握のためのアンケート」調査の結果は,市区町村単位の分布地図※及び一覧(下記URL)にて参照されたい. https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/moe2024_0927.xlsx
※調査ではタイワンザルとニホンザルによる種間交雑により生じた生物も対象としたが,侵入が確認されなかった. 都道府県単位の分布地図(本ページ掲載に)は,学術誌や記事,通報などをもとに,標本や画像データを確認して作成されたものである. 市区町村単位の分布地図(詳細マップ)は,自治体へのアンケートをもとに作成されたものである. 従って,両者の分布情報が一致しない部分がある.
基本・侵入情報 参考資料リスト