2022年、「研究・価値創造」「教育・人材育成」「国際展開」「社会連携・産学連携」の4つの事業を推進するための戦略を策定しました。キャンパスが丸ごと研究拠点となって世界中から優れた研究者や学生が集い、世界中に人材が飛躍していくというダイナミックな交流が展開される大学を目指します。風通しが良く、意思統一が図りやすい自由闊達な伝統を活かし、他に先駆けて進化と改革を成し遂げる実験大学として、常に知のフロンティアを開拓する大学であり続けます。
学術研究と教育・人材育成を両輪とし、地域創生と人類課題への貢献を果たすための取り組みを進めることで、卒業生や地域社会の皆様が応援したくなる名古屋大学であり続けます。そして全構成員が誇りに思い、喜びを感じることができる名古屋大学を築いてまいります。
世界トップ研究者が集う知の梁山泊が生み出す知的成果の創出と価値化
名古屋大学は、教育と研究の弛みない創造的な活動を通じて、勇気ある知識人を育むとともに、学術基盤を強化して世界屈指の知的成果を挙げ、社会に貢献することを大学の使命としています。
また、環境やエネルギー問題に限らず、ジェンダー平等の推進や貧困と飢餓の撲滅等のテーマに、文理の壁を越えて長年にわたり取り組み、これらの成果をあらためて社会に発信し、SDGs達成にむけてさらなる貢献をしてゆきたいと思います。
名古屋大学では、博士の学位を取得した優れた若手研究者に様々なプログラム(高等研究院YLC、若手新分野創成研究ユニット、T-GEx、創発的研究支援事業)を提供して人材を育成しています。採用された若手研究者は、これらのプログラムの中で高いレベルの研究を活発に推進し、各自の専門分野の追究だけでなく、学際的な研究にも挑戦するなど、国内外で幅広く活躍しています。大学は、プログラムに合せて、研究費や研究スペースのサポート、研究者間交流イベントの開催など様々な支援を行っています。
名古屋大学独自の戦略的な若手研究者育成プログラム。国際的かつ学際的な視点から、分野を問わず独創的で挑戦的な基礎研究を推進する自立した優れた若手研究者を育成。2010年度から実施し、国際公募にて年間8名程度を任期5年の特任助教(一部テニュア化)として雇用。
名古屋大学独自の戦略的な若手研究者育成プログラム。研究領域の異なる若手研究者が独立研究ユニットを形成し、新分野創成につながる独創的な研究を推進。2014年度から実施し、年間3ユニット程度を採用。
文部科学省の若手研究者育成事業。新たな課題に常に挑戦し、チームを牽引して世界的問題解決を実現する若手研究者を育成。国際共同、学際共同、産学連携、起業の4つの育成トラックを設定。2021年度から始まり、育成期間は5年間、全学から年間4名程度を採用。
科学技術振興機構の若手研究者支援事業。2020年度から開始され、多様性と融合によって破壊的イノベーションにつながるシーズの創出を目指す「創発的研究」の推進を支援する事業。本学では採択者に、研究スペースや、分野間連携を可能とする創発の場の学内形成などを支援。
高大接続から大学院、学び直しまでシームレスに紡ぐ国際通用性のある教育・人材育成
名古屋大学大学院では、13研究科において様々なプログラムを通して知識基盤社会をリードする博士人材の育成を目指しています。また、大学院進学に係る経済的負担を軽減するため、博士課程(前期・後期)を通じて充実した支援を行っています。
名古屋大学では、英語で学位が取得できる国際プログラム(グローバル30国際プログラム)、海外大学との共同の学位プログラム(ジョイント・ディグリープログラム)、海外や産業界と連携した分野融合博士課程プログラム(卓越大学院プログラム)など、特色のある教育プログラムが展開されています。
ニューノーマル時代の新たな国際展開
名古屋大学は、13カ国に海外事務所を有し、アジア・サテライトキャンパス学院をはじめとして、特にアジア地域に活発に展開。この強みを活かし、「アジアのハブ大学」としてアジア大洋州・北米・ヨーロッパの3極を中心とした国際展開を推進します。世界トップレベルの戦略的パートナー大学との関係を深掘りし、相互に展開する「グローバル・マルチキャンパス」を中心にニューノーマル時代の新たな国際教育、研究、産官学連携活動を推進します。
世界各国から優秀な人材を受け入れ、特にアジアからの受け入れ人数は、国内トップクラス。
名古屋大学は、世界各国から多数の留学生を受け入れ、国際的なキャンパスでともに学ぶことができます。 英語で学位が取得できるグローバル30(G30)プログラムは、6学部10プログラム、7大学院19プログラム。幅広い分野が学べます。日本人学生も、留学生とともにG30向けの授業を学ぶことができます。 外国の大学と共同の教育課程を履修し、単一の学位記が授与されるジョイント・ディグリープログラム(JD)は、日本最多の7つのプログラム(博士後期課程)を実施。日本と海外の両方を経験して学位を取得できる仕組みが整っています。 キャンパス内では、各種交流イベントも多数実施。留学生と一緒に学び合える環境が整っています。
名古屋大学には全学部・研究科の学生を対象とした大学間学術交流協定(全学枠)に基づく交換留学プログラムがあります。また、コースワークの一環として海外での学習が組み込まれた全学の授業科目や学部・研究科が独自で実施する留学プログラムを提供しています。さらに、日本に居ながらにして海外大学の授業に参加するなどオンラインで留学体験ができるi留学という制度もあり、短期~長期・留学のスタイルにおいて、個々の学生の目的と状況に合わせた多様な留学プランを取り揃えています。
世界有数の産業集積地に根ざし、新たな価値を創造しグローバル/ローカル課題の解決に貢献
国内最大規模のURAを擁し、研究者支援のさらなる充実、イノベーション・エコシステムの構築等を目指し、地域大学間、企業、社会はもとより、グローバルな産学協創にも積極的に取り組んでいます。
現存している企業のうち、約75 %が研究成果を活用、25%が学生発のベンチャーである。
名古屋大学基金は、創立70周年(2009年度)を迎えるタイミングを契機に、2006年に設立されました。設立当時に掲げられた趣旨は、「本学の良き伝統を守りつつ、さらに活性化させ、生き生きとした教育・研究環境を作り、21世紀の社会を支える“勇気ある知識人”を輩出するための安定した基盤整備づくりに活用させていただく」というもので、以来、名古屋大学は支援者の皆様への感謝を忘れず、この理念を大切に守り続けております。
皆様からのご支援により、国内外の奨学支援に活用させていただいております。グローバルリーダーの育成、グローバルキャンパスの形成が着実に進んでいます。
総長っていったい何をしているのか、疑問に思っている皆さんも大勢いるかと思います。ここでは、私が日々取り組んでいる仕事やその中で感じたことなどを、自由闊達に紹介していこうと思っています。