本日の自作サーバカンファレンス、申し込みして楽しみにしていたのですが、体調がよろしくなかったので泣く泣く不参加・・・にしようとしていたところ、なんと!Ust(USTREAM)配信されているようだったので、そっちで視聴しました。感謝!!
1つ目のトークの"はてな"の自作サーバ事情の話、他各トークセッションのメモ書きを今後の自分のために残しておきます。
田中さん(id:stanaka)のオープニングセッション
- 自作サーバは安い早いうまい
- 必要十分な仕様
- 部品単位で調達・組立
- 独自のカスタマイズ(SSD使いたい、など)
- はてなでは1年くらいSSD使っている!
- 安い
- Core2Quad + 8GB + SSD X25-M 80GB
- \100,000 + 5,000/month (1A)
- \160,000/year
- Amazon EC2と比べても、1年でもとが取れて、SSDも付いてくる
- 自作サーバの将来
- ベースとなる処理 ⇒ 自作サーバ
- 突発的な処理・負荷 ⇒ クラウド
はてなの自作サーバの実際
- 株式会社はてな
- 吉田晃典 氏 (id:marqs)
- インフラチームのエンジニア
- 2008/05入社
- ハードウェア全般、データベース、バックエンドアプリなど担当
はてなの自作サーバ
- ハーフ1Uシャーシ(marqs-60)
- フロントアクセス
- さくらiDCに最適化設計
- シャーシ奥行き310mm
- リア吸気、フロント排気
- 量産化
- 半年運用
- 90台以上運用
- スペック
- Intel DQ45CB
- Core2Quad Q9400
- 8GB (Transend => ACTICA)
- シャーシ・電源スイッチは自社開発
シャーシ
- 設計はid:marqs氏
- 製作は板金工場の職人さん
- 440mm x 43mm x 310mm
- 本体
- 処理鋼板1.2mm厚
- ケーブルガイドをスポット溶接
- 耳
- メッキ加工
電源
- Enhance社のFlex300
- 初期
- 延長ケーブルで対処
- 毎回延長ケーブルを発注/取り回しが難しい
- 現在
- 業者に依頼してケーブル長をカスタマイズ/取り回しGood
- カスタマイズ電源価格 < (電源+4pin延長+24pin延長)の価格
電源スイッチ
- 最初期
- ドライバ?で突いてた
- 初期
- ユニバーサル基盤に自作ハンダ(最初の10台)
- 現在
- プリント基板業者に依頼して一括作成(実装を安くやってもらえる)
- (ユニバーサル基盤を使っている)
消費電力
- 低負荷(アイドル)時0.5A
- 高負荷時1.1A
- 平均0.7〜0.8A
- 1電源あたり15台
- 1ラックに45台
ラッキング
- ラックに60台収納可能
- 実際は電源の制限あり〜45台
- M6ケージナット x 4 で取り付け
- レールは無し(レール自体は完成している)
- L字アングルで使える
- タップ位置重要
- (8口の電源タップをサイドに取り付けている)
用途(1) アプリケーションサーバ
- Intel DQ45CB + 2.5inch HDD x 1 + 8GB Memory
- 基本かつ最安構成
- HDDが壊れたら即交換
- Pros: 価格・機動性・AMTでリモートON/OFF
- Cons: DDR2メモリが高騰している(が、あらかじめ予想して、はてなでは買いだめしているw)
用途(2) DBサーバ
- Intel DQ45CB + Intel SSD X25-M + 8GB Memory
- DBスレーブ
- Intel SSDは、まだ1台も壊れていない
- (安物SSDは壊れまくった)
- Pros: SSDいけてる(Readのパフォーマンスがかなり良い)
- Cons: SSDの入手性(はてなでは買いだめしているw)/搭載メモリの限界
用途(3) ネットワーク特化サーバ
- サーバ用M/B(LANx2 + IPMI)
- トラフィックの多いところ(ルータ、LVS)で利用
- はてなでは10台くらい
- 最安構成+25000円程度
- ネットワーク担当エンジニアid:maoe氏が愛用
- Pros: NICの性能・IPMI・メモリレイアウト
- Cons: 入手性・価格
用途(4) ストレージサーバ
- 2Uハーフサーバ
- 既存のシャーシを2枚重ねて、2階建て構成
- (既存のシャーシを使いまわせるので、シャーシの納期を気にしなくて良い)
- MogileFS用クラスタに使用
- 既存のシャーシを2枚重ねて、2階建て構成
- Pros: 高密度、特別なパーツが不要、常にギガバイト単位の安いディスクを投入できる(最近は1.5TB使っている、年明けには2.0TBにする予定)
- Cons: HDDを選ぶ(ピンアップ電流が足りなくて2発しか使えない場合があった)、SATA電源分岐ケーブルが必要、ホットスワップができない
まとめ
- 自作サーバを量産して
- ベンダ製サーバを1年くらい買っていない
- (自作サーバで事足りている)
- アーキテクチャを自分で決められる
- ハードウェアトラブルを自分たちで解決する覚悟
- ベンダ製サーバを1年くらい買っていない
- 今後
- P55などLGA1156(今はLGA775など)
- ホットスワップ可能なモジュール
- RAIDカードの搭載
質疑応答など
- どんなハードウェアトラブルが多いか?
- 電源が足りなくてディスクが全部が動かないとか、BIOSを新しくしないとAMTのリモート管理が使えなくなったりとか。
- リコール対策はどうしているか?
- 特別なことはしていない。壊れたら捨てる。まったく使えなかったパーツはあまりない。
- ハードウェアが壊れたときの対応は自社でやっているか?
- すべて自社で行っている。インフラエンジニアは社員が4人、バイトが3人。実際にDCで手を動かしてるのはバイト。
- 熱対策は?
- さくらのデータセンターに任せている。下から冷気があがってくるだけ。
- 深夜の対応は?
- 駆け付けは必要だろうけど、リモート対応で大体カバーできる。ここ1〜2年はリモート対応だけ。
追記:自作サーバカンファレンス各セッションの動画
よく考えたらUstなので、各セッションの動画が公開されていますね。
どのセッションも大変参考になる話ばかりです!気になった部分だけ掻い摘んでメモを貼っておきます。
どこも自作サーバのM/BはIntel DQ45CBでしたね。大人気。
あと個人的に、チームラボさんのサーバオフィスの話は、運用ストーリー(苦労話)が普通に面白すぎるので是非みてくださいwww
オープニング (はてな、田中氏)
はてなの自作サーバの実際 (はてな、吉田氏)
ピクシブの自作インフラ事情 (pixiv、上薗氏)
http://www.ustream.tv/recorded/2638380
- 自作サーバ170台、全て自社サーバルームで運用
- pixiv、140万ユーザ、9億5000万PV/月、3300万PV/日
- ベニヤ板にすべてのパーツが載っている自作サーバ!約5万円/1台
- サーバの固定はガムテープで、ちなみにGoogleはマジックテープらしい
- 自社サーバルームの電気代は、電気使用量125A(2009/11現在)で、1台あたり平均0.7〜0.8Aの消費
- 電気代 (オフィス分込み)
- 2007/10: \91,666 (pixivリリース、社員8人)
- 2008/10: \175,696 (サーバ70台、社員10人)
- 2009/8: \312,226 (サーバ120台、社員20人)
- 回線の太さは2Gbps以上だが、ルータは家庭用ブロードバンドルータを使っている!
自作サーバ運用アメーバピグ編 (サイバーエージェント、桑野氏)
http://www.ustream.tv/recorded/2638413
- アメーバピグ(Amebaのアバターサービス)、2009/2オープン、2009/11現在150万ユーザ
- ストレージサーバ(低コストで安定したサーバ)と高密度サーバ(スケールアウト前提で、AtomとCore2Quadを用途で使い分け)で自作サーバを使う
- Core2Quadモデルは、Web・APサーバ等、ロードバランサで負荷分散される用途
- アイドル0.4A〜0.5A、最大負荷時0.9〜1.0A
- Atomモデルは、分散KVS
- アイドル0.3〜0.4A、最大負荷時0.4〜0.5A
- Core2Quadモデルは、Web・APサーバ等、ロードバランサで負荷分散される用途
- ラッキングは、16台1組で6U、1ラック最大96台まで搭載できる
- 1台20分前後で組み立て。100台構築〜インストール〜サーバ設定まで7時間程度
- 故障率は9ヶ月で4/200、ただし初期不良は結構あるらしい
自作ラックの作り方 (Cerevo、岩佐氏)
http://www.ustream.tv/recorded/2638493
自作ラックのつくりかた!!すごいよ。
自作サーバの設計もかなり深い話で、消費電力は最小17Wまでになったとのこと!
サーバオフィス作っちゃいました (チームラボ、田村氏)
http://www.ustream.tv/recorded/2638546
この運用苦労話の面白さは、残念ながらテキストでは伝わりません!是非動画をみてください。サグールハウス・・・。
漏電ww感電wwサーバオフィスww浸水ww土嚢www
自作サーバを作ることもそうですが、それ以上に運用の大変さ・面白さが伝わってきますw