開館2周年記念特別企画「藤田嗣治の愛しきものたち」|展覧会・イベント|軽井沢安東美術館 Musée Ando à Karuizawa

展覧会・イベント

展覧会

開館2周年記念特別企画「藤田嗣治の愛しきものたち」

《自画像》 1928年 油彩・キャンバス 軽井沢安東美術館蔵

開催概要

会期
ご利用案内 開館時間 / 休館日、入館料、サロンについてはこちらもご確認ください。

展覧会概要

1920年代、「乳白色の裸婦」を描いて一躍時の人となった藤田嗣治。藤田にしか出せない乳白色で描かれた裸婦像は、今日、藤田の代名詞となっています。しかし、藤田が「乳白色の裸婦」を描き続けることはなく、時代の変化とともにモチーフも移ろいでいきました。
藤田が描いたのは、彼に寄り添い、癒しとなったものたち、また彼が愛し慈しんだ身近な存在でした。例えば、裸婦像には藤田と深い友情で繋がっていたキキや三番目の妻ユキが多く登場し、四番目の妻マドレーヌは藤田が好んで幾度も描いた女性でした。藤田が描く机上の画には、彼が愛用したであろうインクやレターセット、時計や眼鏡などが描き込まれました。聖母子や子どもを多く描くようになったのは戦争責任をめぐる問題で傷つき、日本を飛び出した後のこと。その後、藤田は日本に戻ることはなく、1955年にフランス国籍を取得、1959年にはカトリックへと改宗します。宗教画をモチーフにした作品を多く手がける一方、子どものいなかった藤田は「一番愛したい子供」として想像上の子どもの姿をキャンバスに描いていきました。そしていうまでもなく、猫は常に彼のそばにいた存在でした。
本展では「藤田嗣治の愛しきものたち」と題し、その時々に藤田が愛しみ描いたモチーフから彼の人生を垣間見ます。藤田の作品を目の前にしたときに、ふと感じる癒しやぬくもりの謎が見えてくるかもしれません。約200点に及ぶ当館所蔵コレクションを存分にご覧いただきながら、作品に込められた藤田の愛に触れていただけると幸いです。

展覧会のみどころ

初公開となる、藤田嗣治の《自画像》 
身近なものに愛を注ぎ、それらを描いた藤田嗣治。本展ではそんな藤田自身にもスポットを当てます。本展のメイン画像である自画像は1928年に制作された初公開作品。この作品を中心にさまざまな自画像をご紹介いたします。藤田が自身をどのように見つめ、どう描いたのか—藤田が愛した藤田自身をご覧ください。

現在の所蔵作品数は約200点
本展では開館2周年記念として「藤田嗣治の愛しきものたち」をテーマに、できるだけ多くの作品をご覧いただきます。色鮮やかな壁に所狭しと飾られた藤田嗣治だけの作品。これほど贅沢に藤田の作品を鑑賞できるのは、世界中どこを探しても、当館の開館記念企画だけでしょう。この機会をお見逃しなく!

藤田のプライベート写真や直筆の手帳をお披露目
特別企画として、藤田5番目の妻君代夫人のご親戚からご寄託いただいた品々を一挙公開いたします。晩年に藤田が君代夫人と過ごしたヴィリエ・ル・バクルの自宅で撮影したプライベート写真や1939年、戦時下のパリで藤田がメモした直筆の手帳を紹介いたします。藤田の内面に迫る資料です。

出展作品のご紹介

藤田と君代夫人
ヴィリエ・ル・バクルの自宅庭にて 軽井沢安東美術館蔵
君代に寄り添う藤田
ヴィリエ・ル・バクルの自宅内にて 軽井沢安東美術館蔵
藤田嗣治 自筆の手帳(1939年9月~1940年4月)
軽井沢安東美術館蔵

関連イベント

10月5日(土)に、開館2周年記念イベントとして、
「ポーラ美術館の学芸主任 内呂博之氏による講演会」
「当館代表理事 安東泰志による講演会」
「ヴァイオリン 森みず帆さんとピアノ 城綾乃さんによるフリーコンサート」

の開催を予定しています。

詳細は、以下よりご確認ください。
https://www.musee-ando.com/concert/detail.php?id=9