平成13年9月の米国同時多発テロ事件以降、ロンドンの同時爆破テロなど、公共交通機関を標的としたテロ事件が世界で相次いでいます。 鉄道は、日々の国民生活や経済活動を支える重要な社会基盤であり、国民がテロの脅威を感じることなく安全で安心して鉄道を利用できるような環境を整え、サービスを提供することは、国土交通省及び鉄道事業者にとって重要な課題となっています。
鉄軌道輸送におけるテロ対策については、平成16年3月に発生したスペインの列車爆破テロ事件などを踏まえて、鉄軌道事業者、国土交通省及び警察当局が連携して、鉄軌道施設等に対するテロの未然防止のための対策を実施してきました。
平成17年7月に発生したロンドン同時爆破テロを受けて、今後の鉄道輸送におけるテロ対策のあり方に関する検討を進めるため、国土交通省鉄道局、主要鉄道事業者等を構成メンバーとする「鉄道テロ対策連絡会議」を同年8月10日に設置しております。
鉄道利用者にとって抵抗感の少ない爆発物、不審物、不審者の検査等に有効な最新技術の調査等を行い、必要に応じて鉄道駅等における当該技術の実用性を検証するための実証実験等を実施しております。
国土交通省が関係機関と連携し、テロの発生の脅威の度合い(危機管理レベル)を3段階で設定するとともに、レベルに応じて鉄道事業者が実施することが適当なテロ対策としての保安措置を定めています。現在「危機管理レベル1」に設定・通知しています。
各鉄道事業者における鉄道テロ対策の取り組みを促進するべく各鉄道事業者が実施しているテロ対策に関する優良な取り組みを集め紹介いたします。
テロ対策はテロを未然に防ぐことが最も重要です。そのため、1日6000万人いらっしゃる鉄道を利用している方々のご協力が不可欠です。不審物・不審者の発見時はお近くの鉄道係員等にお知らせください。お近くに鉄道係員がいない場合は、駅や車内に設置されているインターホン等を利用して鉄道係員等にお知らせください。鉄道テロ対策の重要性についてご理解とご協力を頂きますよう、よろしくお願い致します。
平成30年6月9日に東海道新幹線のぞみ265号の車内において、乗客が持ち込んだ刃物で他の乗客に対し切りつけ、3名が死傷する事件が発生しました。
これを受け、内閣危機管理監の下に関係省庁(内閣官房、警察庁及び国土交通省)が集まり鉄道事業者や警察による警戒警備の強化などについて協議を進めてきたところであり、事件後1ヶ月経過時点における鉄道事業者の取組状況等を踏まえ、新幹線において緊急に講ずべき当面の対策を取りまとめました。