交通事故死者数は近年減少傾向である一方、自転車乗車中の死者数の占める割合は増加傾向にあります。
過去10年間では、自転車関連事故の件数が5割減少したことに対し、自転車対歩行者の事故は約1割の減少となっています。
また、自転車乗車乗車中における人口10万人当たりの交通事故死傷者数は、全年齢平均に対し、中学生が約3倍、高校生が約5倍と非常に高く、そのうち、約半数以上を通学中の事故が占めています。
中高生の自転車通学経路の安全点検結果等も考慮するなど、自転車利用や関連事故の多い市街地を中心に、重点的に対策を実施する必要があります。
国土交通省と警察庁では、合同で「安全で快適な自転車利用環境創出ガイドライン」を策定しており、このガイドラインに基づき、歩行者と分離された自転車通行空間の整備を推進しています。
また、自転車通行空間を効果的、効率的に整備するため、自治体による自転車ネットワーク計画(※)の策定を促進しています。
※安全で快適な自転車通行空間を効果的、効率的に整備することを目的に、面的な自転車ネットワークを構成する路線を選定し、その路線の整備形態等を示した計画。市町村が道路管理者や都道府県警察等と共同で策定。
さらに、これまで、用地確保の観点から自転車道の整備が困難であった道路においても自転車通行空間の整備が図られるよう、道路構造令を改正し、新たに、「自転車通行帯」を規定しました。
安全で快適な自転車利用環境創出ガイドラインや改正した道路構造令に基づき、全国の自治体において、歩行者と分離された自転車通行空間の整備が進められています。
また、自転車ネットワーク計画についても策定が進んでおり、令和2年3月末時点で策定自治体数は203市区町村(DIDを有する市区町村の約25%)となっています。
更に、ウィズコロナの新しい生活様式で想定される自転車通行量の増加へ対応するため、東京23区内の国道及び主要都道において、自転車専用通行帯等を令和2年度に約17km整備します。更にこれに追加して、秋までに東京23区内を対象として自転車通行空間の整備計画を策定し、概ね3年程度で整備する予定としています。
全国で同様の整備計画を策定し、整備を推進します。