標津町(国後島方面を望む)
北方領土隣接地域(根室(ねむろ)市、別海(べつかい)町、中標津(なかしべつ)町、標津(しべつ)町及び羅臼(らうす)町の1市4町)は、かつては北方領土(歯舞(はぼまい)群島、色丹(しこたん)島、国後(くなしり)島及び択捉(えとろふ)島の4島)と一体の社会経済圏を形成して発展した地域ですが、戦後は北方領土問題が未解決であることから、地域社会として望ましい発展が阻害されるという特殊な事情の下に置かれています。北方領土の元住民が多く居住しているこの地域は、北方領土返還要求運動の発祥の地であると同時に、この運動の拠点として重要な地域です。
このような状況にかんがみ、国土交通省では、北方領土隣接地域の振興及び住民の生活の安定に関する施策を推進しています。
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北方領土隣接地域と北方領土
羅臼港から望む国後島
国土交通省では「北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律」(以下「北特法」という。)及び「北方領土問題等の解決の促進を図るための基本方針(以下「基本方針」という。)」により、北海道知事が作成する「北方領土隣接地域の振興及び住民の生活の安定に関する計画」(以下「振興計画」という。)に基づいて、関係府省と連携の下、北方領土隣接地域の振興等に関する施策を推進しています。
具体的な支援施策としては、北特法に基づく公共事業の補助率のかさ上げ措置や、北特法に基づいて設置された北方領土隣接地域振興等基金による市又は町が実施する事業の一部経費補助、また、振興計画の施策を推進するための北方領土隣接地域振興等事業推進費補助金の制度等があります。
北方領土隣接地域の振興及び住民の生活の安定に関する計画
計画は、北特法及び基本方針に基づき北海道知事が作成し、国土交通大臣の同意を得ています。
この振興計画は、北方領土隣接地域を安定した地域社会として形成するのに資するために必要な施策の大綱を示すものです(現第9期振興計画の計画期間は令和5年度~令和9年度の5か年)。
(参考)第9期北方領土隣接地域の振興及び住民生活の安定に関する計画について(北海道のページ)
〔具体的な支援施策〕
■公共事業の補助率のかさ上げ措置(特別の助成:北特法第7条関係)
振興計画に基づいて隣接地域の市又は町が実施する道路、河川、下水道、住宅、都市公園等の補助事業に対し、補助率のかさ上げ措置があります。なお、平成22年4月の北特法改正により、補助率のかさ上げ措置の対象となる事業に、一般廃棄物の処理施設、消防施設及び水道の整備に関する事業が追加されました。
■北方領土隣接地域振興等事業推進費補助金
第9期振興計画に基づく施策の一層の推進を図るため、隣接地域の市又は町が魅力ある地域社会の形成のために実施する以下の事業の経費の一部を補助しています。(令和6年度予算額:1.02億円)
(1)活力ある地域経済の展開に向けた取組
農水産物の需要拡大及び農水産物の付加価値向上に資する事業
・ 農水産物消費拡大推進事業、農水産物高付加価値化推進事業
(2)地域の資源を活かした交流・関係人口の拡大に向けた取組
北方領土の交流拠点の整備並びに地域の魅力を活用した広域周遊観光ルートづくり及び関係人口拡大のための環境整備に資する事業
・ 四島交流拠点活力向上事業、周遊観光地域づくり事業、関係人口拡大推進事業
(3)ゆとりと安心の実感できる地域社会の形成に向けた取組
地域の医療を支える遠隔医療及び救急医療に資する事業
・ 遠隔医療支援事業、救急医療用ヘリコプター臨時離着陸場設備整備事業
(4)社会・経済の安定的な発展の基盤の形成に向けた取組
地域の地震・津波防災対策の推進に資する事業
・ 地域地震・津波防災力向上支援事業
■北方領土隣接地域振興等基金(北特法第10条)
隣接地域の市又は町が振興計画に基づき実施する単独事業の経費の一部を補助するため、北海道に「北方領土隣接地域振興等基金」(積立額100億円)を設置しています。
■訪問客拡大に向けた取組
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- 国土交通省北海道局参事官付
- 電話 :03-5253-8111(内線52224,52225)