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食事にひそむキケン~おいしく安全に食べるヒント~
第4回テーマ:細菌 黄色ブドウ球菌・ウエルシュ菌・ボツリヌス菌
たびたびニュースになる食中毒事件。発生しやすい時期や調理・保存方法などのポイントを押さえておけば防げるはず。
それぞれの時期に起きやすい食中毒と、その予防方法などについて紹介します。
要注意! 通常の加熱では防げない食中毒
黄色ブドウ球菌
自然界に広く分布している細菌で、人の鼻腔や喉だけではなく、化膿菌の一つとして化膿巣にも多量に存在しています。本菌は、食品のなかで増殖するときにエンテロトキシンという毒素をつくり、この毒素を食品と一緒に食べることにより、食中毒を引き起こします。エンテロトキシンは熱に強いため、一度つくられると、通常の加熱調理(煮沸した程度)では無毒化されません。
ウエルシュ菌
ヒトや動物の腸管、土壌や下水などに広く分布している細菌で、熱に強い芽胞をつくること、酸素のない環境を好むことが特徴です。これまでにカレーやシチュー、煮魚、麺のつけ汁など、大量に調理され、そのまま室温で冷まされた食品が原因で食中毒が発生しています。また、1件あたりの患者数が多く、大規模発生になることがあります。夏(7~9月)に多く発生しますので、これからの季節、十分に注意しましょう。
ボツリヌス菌
土壌や海、湖、川などの泥砂中に分布している菌で、熱に強い芽胞を形成し、瓶詰、缶詰、容器包装詰め食品、保存食品など、酸素が含まれていない(少ない)食品中で増殖します。通常の加熱調理では殺菌できません。また、1歳未満の赤ちゃんは、大人と異なりまだ腸内環境が整っていないため、ハチミツやハチミツ入りの食品を食べることにより、ボツリヌス菌が腸内で増えて毒素を作り出し、乳児ボツリヌス症を発症させる場合があります。1歳未満の赤ちゃんにハチミツやハチミツ入りの飲料・お菓子などの食品は絶対に与えないようにしましょう。
黄色ブドウ球菌・ウエルシュ菌・ボツリヌス菌については、厚生労働省のホームページで特徴などを詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてください。
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出典: 広報誌『厚生労働』2024年7月号 発行・発売: (株)日本医療企画(外部サイト) 編集協力 : 厚生労働省 |