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食事にひそむキケン~おいしく安全に食べるヒント~
第3回テーマ:細菌 腸管出血性大腸菌(O157)
たびたびニュースになる食中毒事件。発生しやすい時期や調理・保存方法などのポイントを押さえておけば防げるはず。
それぞれの時期に起きやすい食中毒と、その予防方法などについて紹介します。
「加熱」「手洗い」「調理器具の使い分け」で対策を
腸管出血性大腸菌は、主に牛などの家畜が持っている病原大腸菌の一種で、牛の糞などを介して牛肉などの食品に付着したり、井戸水などを汚染します。
腸管出血性大腸菌が付いた食品を食べたり、それに汚染された井戸水を飲むと、平均2~7日くらいで発熱や激しい腹痛、水溶性の下痢、血便、吐き気・おう吐などの症状が現れます。また、溶血性尿毒症症候群(HUS)や脳症等の重篤な合併症を引き起こすこともあり、抵抗力の弱いこどもや妊婦、高齢者は特に重い症状に陥りやすく死に至る場合もあります。
さらに、腸管出血性大腸菌は少量の菌からでも感染するため、手指や調理器具などからの二次汚染にも注意が必要です。
腸管出血性大腸菌は75℃で1分間以上の加熱で死滅しますので、よく加熱して食べましょう。
残った食品を温め直す時も十分加熱することが大切です。なお、腸管出血性大腸菌による食中毒では、お肉や野菜など、さまざまな食品が原因となっています。
食品を扱う前後は必ず手を洗うとともに、生のお肉などを切った包丁やまな板を使用して、果物や生で食べる野菜などを切らないようにしてください。包丁、まな板、ふきん、スポンジなどは洗剤と流水で洗った後、熱湯消毒することが有効です。
また、動物とふれあった後は必ず手を洗いましょう。
腸管出血性大腸菌による食中毒は、特に初夏から初秋にかけて多いので、これからの季節、十分に注意しましょう。
腸管出血性大腸菌については、厚生労働省のホームページで特徴や最新の情報を詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてください。
▶ホームページはこちら
腸管出血性大腸菌O157 食中毒
出典: 広報誌『厚生労働』2024年6月号 発行・発売: (株)日本医療企画(外部サイト) 編集協力 : 厚生労働省 |