広報誌「厚生労働」2023年10月号 TOPICS|厚生労働省

長引く咳や体のだるさに隠れている「結核」を正しく知ろう

結核は、患者数および罹患率(人口あたりの新登録結核患者数)は順調に減少しているものの、今でも年間1万人以上の新しい患者が発生し1,600人以上が命を落としている日本の主要な感染症です。

厚生労働省では、毎年9月24日から9月30日までの「結核予防週間」を中心に、地方自治体や関係団体の協力を得ながら、結核に関する正しい知識の普及啓発を図っています。

<結核に関する5つのQ&A>

Q1
結核の症状にはどんなものがあるのでしょうか。

A1
結核の症状(長引く咳、たん、微熱、体のだるさなど)には特徴的なものがなく、初期には目立たないことが多いため、特に高齢者では気づかないうちに進行してしまうことがあります。咳やたんが2週間以上続いたり、微熱や体のだるさが続く場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

Q2
結核はどうやってうつるのでしょうか。

A2
結核が進行すると、咳やくしゃみなどによって空気中に結核菌が飛び散るようになります。その結核菌を吸い込むことにより、周りの人に感染が拡がります(空気感染)。

Q3
普段から気をつけることがあれば教えてください。

A3
定期的に健康診断を受けることが重要です。結核を発症しても、早期に発見できれば重症化を防げるだけではなく、家族や友人などへの感染拡大を防ぐことができます。

Q4
どんな人が結核と診断されているのでしょうか。

A4
新規結核患者は高齢者に多く、およそ4分の3が60歳以上となっています。また、特に若年の外国生まれの患者の割合が増加しており、20~29歳の新規患者のおよそ4分の3を占めています。

Q5
結核は治療すれば治るのでしょうか。

A5
結核は通常、薬(抗結核薬等)を医師の指示どおりに飲めば治ります。一般的な治療期間は6~9カ月となります。治療途中で薬を飲むのをやめたり、指示されたとおりに薬を飲まなかったりすると、結核菌が薬に対して抵抗力(耐性)を持ってしまい、薬の効かない結核菌(耐性菌)になってしまう可能性があります。医師の指示を守って、治療終了まできちんと薬を飲み続けることが最も重要です。

結核(BCGワクチン)

<入国前結核スクリーニングの実施>
日本国内において、結核患者数が多い国の国籍を有する方のうち中長期間滞在を予定している方に対して、入国前に結核に罹患していないことを求める「入国前結核スクリーニング」を導入することになりました。

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出典 : 広報誌『厚生労働』2023年10月号 
発行・発売: (株)日本医療企画(外部サイト)
編集協力 : 厚生労働省