広報誌「厚生労働」2022年9月号 新型コロナウイルス最前線|厚生労働省

新型コロナウイルス最前線

第23回
新型コロナウイルス感染症に感染したときの対応策
―発熱などの症状があらわれたら―

“まだ終息の見えない”新型コロナウイルス感染症。本連載では、その動向や対策などを紹介しており、今回は、感染し発熱を含む症状が現れたときの対応についてQ&Aでお答えします。※2022年8月23日時点

●Q1
感染経路・潜伏期間について教えてください。

○A1
感染者(無症状の人も含む)がせき・くしゃみ、会話などの際に排出されるウイルスを含んだ飛沫・エアロゾルの吸入が主な感染経路と考えられています。
潜伏期間は、現在流行しているオミクロン株では多くの方が2~3日程度、長くとも7日以内がほとんどとの報告もあります。

●Q2
感染を拡大させないための予防方法を教えてください。

○A2
「マスクの着用」や「手洗い」、「3密(密接・密集・密閉)回避」、「換気」など基本的な感染対策を徹底し、発熱などの症状がある場合の外出などを含む感染リスクの高い行動を控えることです。また、ワクチンには新型コロナウイルス感染症の重症化や発症などを予防する効果があることが確認されています。未接種の方は接種を検討しましょう。

●Q3
重症化しやすいのは、どのような方でしょうか。

○A3
高齢者や基礎疾患のある方、妊娠後期の方などは重症化しやすいと言われており、かかりつけ医などの医療機関に相談・受診しましょう。
重症化のリスクとなる基礎疾患・要因などには、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性腎臓病、糖尿病、高血圧、心血管疾患、 肥満(BMI30以上)、喫煙などがあります。

●Q4
発熱やせきなどの症状がある場合には、どうしたらよいですか。

○A4
新型コロナウイルス感染症の症状は、季節性インフルエンザなど、発熱やせきを起こす感染症と非常に似ています。「筋肉痛があるからコロナではない」などと自己判断せず、まずは自治体の方針に従って、かかりつけ医や自治体の受診・相談センターなどに相談しましょう。

●Q5
発熱しましたが、すぐに医療機関の受診ができない場合は、どのようにしたらよいでしょうか。

○A5
まず、自治体の方針に従って、健康フォローアップセンターなどに相談していただきたいですが、すぐに医療機関の受診ができない場合は、市販の解熱剤などを服用しても問題ありません。なお、下記のような場合には主治医や薬剤師に相談のうえ、ご服用ください。

・ほかの薬を服用している場合や、妊娠中、授乳中、ご高齢、胃・十二指腸潰瘍や腎機能低下など病気療養中の場合(飲める薬が限られていることがあります)。
・薬などによりアレルギー症状やぜんそくを起こしたことがある場合
・激しい痛みや高熱など、症状が重い場合や、症状が長く続いている場合

また、飲食ができる場合は、食事を摂取しても問題ありません。熱を下げるため、ぬれタオルや保冷剤を用いて、太い血管のある脇の下、首の周り、足の付け根を冷やすとよいでしょう。

お住まいの自治体の方針に従って、医療機関への受診や検査を行ってください。症状があり重症化リスクの高い方は、かかりつけ医などの医療機関に相談・受診しましょう。

●Q6
熱を下げるための市販薬には、どのようなものがありますか。

○A6
市販されている解熱鎮痛薬の種類には、アセトアミノフェン製剤や非ステロイド性抗炎症薬(イブプロフェンやロキソプロフェン)などがあります。
アセトアミノフェン製剤は、低年齢の方や妊娠中・授乳中の方でもご使用いただけますが、製品ごとに対象年齢などが異なりますので、対象を確認のうえ、ご使用ください。治療している病気がある人は飲み合わせの問題もあるので、医師や薬剤師に相談してください。

●Q7
飲み物、食べ物は、どのようなものがよいでしょうか。

○A7
発熱した場合は、水分補給を行いましょう。カフェインを含む飲料は利尿作用がありますので、含まないお茶(麦茶など)や水、経口補水液、スポーツ飲料、食塩水(0.1~0.2%)を飲むようにしましょう。
消化器に異常がない場合は、通常の食事で問題ありません。体調が優れない場合は、消化のよいものを食べるようにしましょう。

●Q8
症状が落ち着きましたが、注意すべき点があれば教えてください。

○A8
発症日(症状が現れた日)から10日以上かつ症状軽快後72時間経過後(または症状軽快後24時間以上あけ2回PCRなどの検査を行い、陰性だった場合)に療養解除となることができます。
再び、体調が悪くなったときは、健康フォローアップセンターなどと相談のうえ、近くの医療機関(発熱外来など)を受診しましょう。


詳しい情報や最新の情報は厚生労働省HPや各自治体のHPをご参照ください。
●厚生労働省 健康と医療相談の情報
https://www.mhlw.go.jp/stf/covid-19/kenkou-iryousoudan.html#h2_1



広報誌『厚生労働』2022年9月号
発行・発売:(株)日本医療企画